チェコとスロヴァキアの「切り紙アニメ上映会」いよいよ始まります

以前もお伝えしましたとおり、好評開催中のドゥシャン・カーライ展に関連して会期中の土曜・日曜を中心に計11回、カーライの故郷スロヴァキアと隣国チェコの作家たちによる、切り紙アニメの上映会を実施します。
いよいよその第1回上映会が始まります。今回は、上映する6本のプログラムの内容(あらすじ)をお知らせいたします。

(1)ドゥシャン・カーライ『愛の伝説』 1979年(チェコスロヴァキア)10分12秒
若いカップルの男性に横恋慕した意地悪な奥方が、自分の恋がかなわぬのを知り、殺し屋に命じて彼の恋人を川から突き落とさせますが…、カーライがスロヴァキアの民話を元に制作した、悲しい物語です。

(2)ペトゥル・シース『ミメーシス』 1975年(チェコスロヴァキア)4分12秒
“ミメーシス”は“模倣、真似”という意味。花は女性に、女性は鳥に、次々と変容してゆきます。シュールでモダンアート的なイメージの連続で綴られた、現代の愛と死のメルヘンです。

(3)ルドミラ・ゼマン『インディアンのお話』 1982-85年(チェコスロヴァキア)6分24秒
幼なじみの少女をコンドルにさらわれたインディアンの少年は、太陽にもらった炎の馬にまたがって少女を助けに行きますが…。チェコアニメの父カレル・ゼマンの娘による民話的なファンタジーです。

(4)クラーラ・ハーイコヴァー『アダムとイヴ』 2006年(チェコ)4分12秒
四角い枠で囲まれた幾何学的な抽象画のような森の中で、最初の男と最初の女が生まれ、困難にもめげず愛をはぐくんで子どもを授かりますが…。モダンアートの表現で綴られたユニークな愛の寓話です。なお作中に、抽象的でソフトな性表現があります。

(5)ラデク・ドスコチル『太陽の向こうに』 2004年(チェコ)7分10秒
ジャングルで捕らえられ、はるばる寒い国に売られてきた小鳥が、オレンジのようなジャングルの太陽に憧れてカゴから逃げ出し、元の国に帰ろうと大冒険をします。

(6)イヴァナ・シェベストヴァー『4』 2007年(スロヴァキア) 15分
運送飛行士のハナ、郵便回収人のエヴァ、オレンジ売りのリリト、人気歌手のアリエル、4人の女性たちの愛と運命が交差する時、悲劇が起こります。なおこのアニメには、全編にわたってお子様には不適切な、かなり直接的な性描写があります。視聴にあたってはくれぐれもご注意下さい。

◆上映日:5月8日(土)、9日(日)、15日(土)、22日(土)、23日(日)、29日(土)、
     6月5日(土)、6日(日)、12日(土)、19日(土)、20日(日)  計11回

◆上映時間;いずれも午前2時−2時50分(1回上映)

◆会場:当館講堂(入場無料)

◆備考:日本語字幕はついていませんが、映像だけでほとんど理解できます。

いずれも、日本のアニメにはない斬新な表現が見どころです。皆さまのお越しをお待ちしています。