名作を模写!「わたし流・作品スケッチ大会」の前半を開催いたしました


当館では毎年夏、子どもたちに当館の館蔵品に親しんでもらえるようにと。常設展示室の作品を自由に模写し、ユニークな作品に仕上げてもらうイベント「わたし流・作品スケッチ大会」を実施しています。今年は7月9日(土)・10日(日)と、17日(日)・18日(月・祝)の4回開催予定で、そのうち前半にあたる9日と10日の回が先週末に実施されました。9日は12名、10日は18名の子どもたちが参加し、思い思いの名画を楽しいオリジナルの作品に生まれ変わらせてくれました。その様子をレポートいたします。

まずワークショップルームで、おなじみアート博士が今日の予定を説明します。そして、過去の有名な画家たちも他の画家たちの作品を真似して、自分だけのユニークな作品を仕上げているのだという面白い例を、スライドを使って紹介します。

続いて画板と画用紙、鉛筆だけを持ってみんなで常設展示室に移動します。まずはひととおり、展示室の作品をみんなで見て回りましょう。

気に入った作品が見つかったら、その前に移動し、鉛筆で画用紙の上にスケッチしてゆきます。

模写する作品は何も1点でなくても構いません。複数の作品をひとつに組み合わせて、自分だけの合体作品に仕上げるのもOK。

鉛筆スケッチが終わったら、ワークショップルームに戻ってスケッチに着彩します。作品の色を忘れてしまったら、再び展示室に見に戻るのもいいでしょう。

着彩用の画材としては、水彩絵具やクレパスの他、水彩の上からでも彩色できる色鉛筆「ダーマトグラフ」やマーカーなどを用意しました。色紙を自由に切って画面にコラージュすることもできます。また金属ラメが入ったキラキラ光る糊絵具など、風変わりな画材も用意してあります。

ひとつの画材のみにとらわれず、いろんな画材を使い分けて楽しい作品を仕上げましょう。

うまく描けなくて困っている時には、アート博士がやって来てアドバイスもしてくれます。

子どもたちの想像力は実に豊か。元の作品の雰囲気を残しながらも、まったく印象の違う作品に生まれ変わらせてくれます。

構図がほとんど同じでも、色彩が変わるだけでとても力強い作品になったり・・・

作品の中に子どもたち自身の日常体験や思いなどが織り込まれて、まったく新しい作品になることもしばしば・・・

上の写真では、靉嘔が虹色でジャンケンポンを描いた作品が、いつの間にか遊園地のジェットコースターと合体してしまいました。

一方で、いろんな名画に触れるのは子どもたちにとってもエキサイティングな体験です。水しぶきをどんなふうに表現すればいいのか、作品をよく見て入念に研究する男の子もいました。

学校の図工の時間ではなかなか体験できない、新しい材料、技法へのチャレンジも子どもたちには楽しいところです。小さな色紙、キラキラ紙をいくつも作品に貼り付けて、可愛い作品ができあがりました。


これらの完成作はいったん美術館が回収し、8月9日(火)から21日(日)までギャラリー展示室で一般公開いたします。そして優秀作品は審査の上、8月21日(日)に表彰する予定です。
今週末、7月17日(日)と18日(月・祝)にはイベントの後半が行われます。さて、今度はどんなユニークな作品が生まれるのでしょうか。とても楽しみです。