「関西文化の日」に楽しいイベントを開催いたしました


さる11月19日(土)と20日(日)の2日間は「関西文化の日」として、近畿圏の文化施設約400館で観覧料の無料化や各種イベントが開催されました。当館でも常設展示の観覧料の無料化を実施した他、さまざまな関連イベントを実施いたしました。これらイベントの模様をレポートさせていただきます。

まず常設展示室では両日午前中に、対話型鑑賞のイベント「おしゃべり美術館」を開催いたしました。これは当館サポーター(ボランティアスタッフ)の誘導により、少人数でグループを組んで常設展示を観賞し、作品を前にして思ったこと、感じたことを自由に話し合うという試みです。

単に作品をひとりで観賞するのではなく、スタッフが投げかける質問に答えたり、自由に連想のおもむくままにおしゃべりしたり、自由なコミュニケーションの輪の中で楽しみながら作品を鑑賞していただこうというのが本イベントのねらいでした。あいにく11月19日は雨天のため来館者が少なく、イベントの出足も少々鈍かったのですが、それでも最終的に40名ものお客様が本イベントに参加されました。晴天に恵まれた翌20日は、前日の2倍近い63名もの参加者がありました。来館者のほとんどはこの日が最終日であった企画展「祈りの国、近江の仏像」を見にこられた方々で、あくまで常設展示は「オマケ」のはずだったのですが、サポーターとの対話に大人も子どももみな惹き付けられたのか、ほとんどのお客様は途中で抜けられることもなく、ゆっくりと常設展示を楽しんで行かれました。

立って観賞するだけではなく、時には座って作品を眺めたり、触っても構わない作品にそっと触れてみたりもいたしました。

作品の脇にある解説パネルもふだんは隅々まで読んだりしないものですが、サポーターとの対話の中で読んでみると色々な発見があります。

最後には展示室の中にこのように、サポーターに率いられた幾つものグループがひしめき合う状態になってしまいました。あちこちから感嘆の声や笑い声が響いてきます。

参加者の皆さんには、今後のためにアンケートに協力していただきました。皆さん嫌がることもなく、今回のイベントに対してたくさんの意見を書いて下さいました。どの意見も非常に好意的で、このような試みがもっと美術館の日常に定着するよう望まれる方も多数いらっしゃいました。


今回が4回目の実施となったこの「おしゃべり美術館」、当館としてももっと実施回数を増やし定着させていきたいと考えています。次回の実施は来年春の予定ですので、それまでサポーターもさらに研鑽を積み、来館者の皆さんのご期待に応えられるようになりたいと思います。
次回の「おしゃべり美術館」開催時期は、決定次第美術館ホームページや本ブログにおいて告知いたします。次回はぜひ、本ブログを読んでおられる皆さまもご参加下さい。お待ちいたしております。


さて19・20日の両日、美術館のエントランスロビーでは恒例となったワークショップイベント「名画でびっくりコラージュ」も開かれました。

古今東西の名画(の複製図版)の上に別の名画の登場人物や、日用品などの写真を切り貼りして作った自分だけの作品を、下敷きにようにラミネート加工して持ち帰ってもらうというこの催し、わざわざこれだけを目当てに来館される方が現れるまでになりました。今回も楽しい作品が続々と出来上がり、来館された家族間のコミュニケーションにもひと役買っていたみたいです。なお参加者の数は、雨天の19日(土)は57名、秋晴れの20日(日)は104名でした。

また白いボードの上に自由に絵を描ける、併設の「きみも きょうから ちゅうしょうがか」のコーナーも小さなお子さんに大人気。このセットが欲しいのだけれど、どうやって作ればいいのですか?という問い合せも相次ぎました。
ここでお答えしておきますと、木製の白いボードには粘着剤付きのマジックシール(正式名称は「面ファスナー」です)の「雄」の方を一面に貼ってあり、その上に貼り付ける様々な色のシールは、同じくマジックシールの「雌」を幾何学的な形に切り抜いたものです。マジックシールは10cm幅の細長いテープ状のもので、大きめのホームセンターや手芸店で入手することができます。色は白・黒・赤・青・黄・緑・橙が存在します。近くに売っているお店が無い場合はネットで購入することもできるみたいです。詳しくは「面ファスナー」で検索してみると良いでしょう。

この「名画でびっくりコラージュ」、次回は来年のゴールデンウィークの実施となる予定です。お楽しみに。