「わたし流・作品スケッチ大会」の前半2回分を開催しました


当館では毎年夏、子どもたちに当館の館蔵品に親しんでもらうために、常設展示室の作品を自由に模写してユニークな作品に仕上げてもらうイベント「わたし流・作品スケッチ大会」を実施しています。今年は7月15日(日)・16日(月・祝)と21日(土)・22日(日)の4回開催予定であり、そのうち前半にあたる15日と16日の回を先週末に実施いたしました。15日は24名、16日は30名の子どもたちが参加し、思い思いの名画をスケッチして楽しいオリジナルの作品に生まれ変わらせてくれました。その様子をレポートいたします。

午前10時に受付を済ませた子どもたちはワークショップルームに入り、はじめにガイダンスを受けます。おなじみアート博士がイベントの手順を説明し、過去の有名な画家たちが他の画家たちの作品を真似して作ったユニークな作品群をスライドで紹介しました。これらの画家たちに負けないような発想で作品を作ってもらいたいものです。


続いて画板と画用紙、鉛筆だけを持ってみんなで常設展示室に移動します。まずはアート博士が会場を回りながら、子どもたちに展示中の作品を解説します。気に入った作品は見つかったでしょうか?

ひととおり会場内を回った後は、気に入った作品の前に移動し、その作品を鉛筆で画用紙の上にスケッチしてゆきます。

幼い子どもたちの好みは大人とはだいぶ違います。多くの一般的な大人が苦手とする抽象絵画も、色や形が綺麗で面白ければすぐに飛びつきます。素直で真っ直ぐな感性にはいつも驚かされます。

模写する作品は何も1点でなくても構いません。複数の作品をひとつに組み合わせて、自分だけの合体作品に仕上げるのもOK。鉛筆スケッチが終わったら、再びワークショップルームに戻って今度はスケッチに着彩します。

着彩用の画材としては、オーソドックスな水彩絵具やクレパスの他、水彩の上からでも鮮やかに彩色できる色鉛筆「ダーマトグラフ」や、顔料マーカーなども用意してあります。複数の画材を組み合わせて使うことで、画材の性格にとらわれることなく、自分のイメージした画面を再現しやすくするためです。また色紙を自由に切って画面にコラージュすることもでき、色紙をさまざまな形に型抜きできるクラフトパンチや、絵具の中に金属ラメがいっぱい入ったキラキラ光る糊絵具など、風変わりな画材も用意しました。

もちろんオーソドックスな水彩表現等にこだわるのもOK。困っている時はアート博士がアドバイスもします。

小さな幼児でもクレパスだけでなく、難しい水彩などにどんどんチャレンジしてもらいます。

そばで親御さんがアドバイスをすることも。けれどもあくまで主役は子どもたち。可能な限り制限を取り払って、時間の許す限り自由に描いてもらいます。イベントは一応正午で終了ですが、作品への彩色はそのまま午後も残って行なうことができます。ほとんどの子どもたちは自分が納得ゆくまでまで時間を掛けて、丹念に作品を仕上げてくれました。

さあ、もうすぐ完成です。作品の裏には自分の名前と、自分が描いた新しい作品の題名を記入してもらいます。さて、どんなタイトルがこの作品には付けられるのでしょうか?


これら完成作はいったん美術館が回収し、8月7日(火)から12日(日)まで美術館のギャラリー展示室で一般公開いたします。そして優秀作品は審査の上、グランプリ、テクニック賞、ユニーク賞などを設けて8月12日(日)に表彰する予定です。もちろん参加賞もありますよ。

今週末、7月21日(土)と22日(日)にはイベントの後半が行われます。今度はどんなユニークな作品ができ上がるのか、とても楽しみですね。