出張展示「おでかけミュージアム・キャラバン」の開催について


滋賀県立近代美術館が中心となり県内各所で行う出張展示「おでかけミュージアム・キャラバン」が始まります。
「滋賀ならではの『美』を、さまざまな地域の方に気軽に楽しんでいただこう」というコンセプトのもと、平成24年度からスタートした本事業の第一弾は、近年国際的にも注目を集めている滋賀のアール・ブリュットがテーマです。会場は長浜市高島市の県内2カ所で、期間は長浜会場(長浜文化芸術会館)が平成25年2月26日(火)─3月10日(日)、高島会場(藤樹の里文化芸術会館)が平成25年3月13日(水)─3月24日(日)です。
アール・ブリュットとは「加工されていない生(き)の芸術」という意味の言葉で、フランスの画家ジャン・デュビュッフェ(1901─1985)が1945年に考案したと言われています。伝統的な美術教育や美術史の流れに属さない独創的な表現活動のことを指し、そのアーティストたちは知的障害や精神障害を持った人、無名のお年寄り、何らかの理由で地域コミュニティから外れた人など実にさまざまです。  滋賀県では、主に長きに渡る福祉の取り組みのなかで、ユニークなアール・ブリュット作品が多く生み出されて来ました。そこで本展では、近年の滋賀のアール・ブリュットを代表する約20名の陶芸・絵画・刺繍作品をご紹介します。
アール・ブリュット作品最大の魅力とも言える、既存の価値観にとらわれない自由な表現をお楽しみ頂くと同時に、本展が多くの皆様にとってアール・ブリュット作品に親しむ一つのきっかけとなりましたら幸いです。


◆会場:
長浜会場:長浜文化芸術会館 第2展示室
     長浜市大島町37番地 TEL.0749-63-7400
高島会場:藤樹の里文化芸術会館 展示室1
     高島市安曇川町上小川106 TEL.0740-32-2461
◆会期:
長浜会場:平成25(2013)年 2月26日(火)─3月10日(日)
高島会場:平成25(2013)年 3月13日(水)─3月24日(日)
◆休館日:
長浜会場:なし
高島会場:3月18日(月)
◆開館時間:
いずれの会場も9:30─17:00
◆観覧料: 無料
◆主催: 滋賀県立近代美術館
◆共催:
長浜会場:長浜市長浜市教育委員会、財団法人長浜文化スポーツ振興事業団
高島会場:高島市高島市教育委員会
◆後援: 滋賀県教育委員会
◆協力:
NPO法人はれたりくもったり、湖北まこも、滋賀県立近江学園、信楽青年寮、障害者支援施設かいぜ寮、障害者支援施設もみじあざみ寮、びわこ学園医療福祉センター野洲、やまなみ工房、滋賀県社会福祉事業団


◆関連行事
各展覧会場において、「滋賀のアール・ブリュット」関連トークイベントをおこないます。
長浜会場
 日時:3月3日(日) 13:30─15:00
 会場:長浜文化芸術会館 第2展示室
 講師:廣部猛司(「湖北のアール・ブリュット」展 アートディレクター)
    岩坪美里(湖北就労支援施設「ほっとステーション」)
高島会場
 日時:3月17日(日) 13:30─15:00
 会場:藤樹の里文化芸術会館 展示室1
 講師:水野哲雄(京都造形芸術大学芸術学部こども芸術学科学科長)
    亀井友美(「アートサポートたかしま」代表)
※各会場とも定員20名、先着順。参加費無料。


◆アクセス
長浜会場
JR北陸本線長浜駅」下車、徒歩約10分
・車は、北陸自動車道長浜インターから約15分
高島会場
・JR湖西線安曇川駅」下車、徒歩約15分
・車は、国道161号線「藤樹神社口」交差点を東すぐ
※ なるべく公共交通期間をご利用ください。

参考図版:澤田真一「無題」 制作年不詳
オブジェに対しひとつひとつ丁寧に「トゲ」を埋め込んでいくという、作者の得意とする技法が発揮されている陶芸作品。人工的な釉薬をかけず焼成されているため、より自然な土の色目・質感を感じる仕上がりとなっている。人間のような人間でないような不思議な造形には、作者独自の創造世界の広がりを感じることができる。