出張展示「おでかけミュージアム・キャラバン」の開催について


滋賀ならではの『美』を、さまざまな地域の方に気軽に楽しんでいただこう」というコンセプトのもと、滋賀県立近代美術館が中心となり県内各所で行う出張展示「おでかけミュージアム・キャラバン」。平成24年度からスタートした本事業の第一弾は、近年国際的にも注目を集めている滋賀のアール・ブリュットがテーマです。今年2月に長浜市、3月に高島市で開催したのに引き続き、今度は甲賀市において平成25年6月12日(水)─6月23日(日)に開催いたします。
アール・ブリュットとは「加工されていない生(き)の芸術」という意味の言葉で、フランスの画家ジャン・デュビュッフェ(1901─1985)が1945年に考案したと言われています。伝統的な美術教育や美術史の流れに属さない独創的な表現活動のことを指し、そのアーティストたちは知的障害や精神障害を持った人、無名のお年寄り、何らかの理由で地域コミュニティから外れた人など実にさまざまです。  滋賀県では、主に長きに渡る福祉の取り組みのなかで、ユニークなアール・ブリュット作品が多く生み出されて来ました。そこで本展では、近年の滋賀のアール・ブリュットを代表する約20名の陶芸・絵画・刺繍作品をご紹介します。
アール・ブリュット作品最大の魅力とも言える、既存の価値観にとらわれない自由な表現をお楽しみ頂くと同時に、本展が多くの皆様にとってアール・ブリュット作品に親しむ一つのきっかけとなりましたら幸いです。


◆会場: 甲賀市あいこうか市民ホール 展示室
    甲賀市大水口町水口5633 TEL.0748-62-2626
◆会期:平成25(2013)年 6月12日(水)─6月23日(日)
◆休館日:6月17日(月)
◆開館時間:9:30─17:00
◆観覧料: 無料
◆主催: 滋賀県立近代美術館
◆共催:甲賀市教育委員会、公益財団法人 甲賀・甲南人権センター(あすぱる甲賀
◆後援:滋賀県教育委員会
◆協力:かいぜ寮、湖北まこも、滋賀県立近江学園、信楽青年寮、バンバン、びわこ学園医療福祉センター野洲、もみじ・あざみ寮、やまなみ工房、NPO法人はれたりくもったり、滋賀県社会福祉事業団


◆関連行事
展覧会場において、「滋賀のアール・ブリュット」関連トークイベントをおこないます。
日時:平成25年 6月16日(日) 13:30─15:00

会場:甲賀市あいこうか市民ホール 展示室

講師:石野大助(信楽青年寮 作業部チーフ、陶芸班担当)・早川弘志(やまなみ工房 アトリエ担当、主任支援員)
※定員20名、先着順。参加費無料。


◆アクセス
近江鉄道本線水口城南駅」下車、徒歩約2分

・車は、新名神信楽インター」から約15分、「甲賀土山インター」から約20分
※なるべく公共交通期間をご利用ください。

参考図版:澤田真一「無題」 制作年不詳
オブジェに対しひとつひとつ丁寧に「トゲ」を埋め込んでいくという、作者の得意とする技法が発揮されている陶芸作品。人工的な釉薬をかけず焼成されているため、より自然な土の色目・質感を感じる仕上がりとなっている。人間のような人間でないような不思議な造形には、作者独自の創造世界の広がりを感じることができる。