たいけんびじゅつかん「日用雑器をつくろう」を開催しました。

たいけんびじゅつかん「日用雑器をつくろう−八幡瓦の技法でものづくり体験−」を10月19日(土)に開催し、大人と子ども合わせて38人の方にご参加いただきました。


11月のたいけんびじゅつかんは、現在開催中の企画展「柳宗悦展-暮らしへの眼差し-」の関連ワークショップです。柳宗悦が提唱した民藝の「用の美」をテーマに、日常生活で使うことのできる器の制作に挑戦しました。
今回の「たいけんびじゅつかん」は平成25年度 滋賀県「美の滋賀」地域づくりモデル事業の一環で、「成安造形大学」と「近江八幡市立かわらミュージアム」と「滋賀県立近代美術館」とで連携して、ワークショップを開催しました。


ワークショップの講師には、成安造形大学の非常勤講師である石川亮さんと、近江八幡市立かわらミュージアムの鬼瓦製造技術者である前田幸一郎さんをお招きしました。

成安造形大学の石川亮さん


↑鬼瓦製造技術者の前田幸一郎さん



初めは展示室へ移動し、参加者全員で企画展「柳宗悦展」を鑑賞しました。


↑今回は石川さんが解説してくださいました。


柳宗悦が収集したものは多岐に渡ります。こちらは沖縄の紅型です。



鑑賞後は、いよいよ日用雑器をつくります。
子ども達の中には、今まで粘土を触ったことがある子はほとんどでしたが、ろくろを使ったことがある子は2人程だけでした。みんな上手くできるかな?

今回は近江八幡に伝わる八幡瓦の土を使用します。
石川さんと前田さんがそれぞれ違う方法でお茶碗の作り方を教えてくれました。


↑石川さんは粘土を細長い紐状にして、それをまるくし、どんどん上へ積み重ねていく「ひもづくり」の方法を教えてくれました。


↑前田さんは粘土を薄い板状にして、それを曲げてお茶碗の側面にする方法を教えてくれました。

子どもたちは、自分でどちらか好きな方法を選択してつくりはじめました。


↑土をこねたり、板状にするために四角くしたりしています。


↑底をまるくつくります。陶芸の得意な当館のサポーターもコツを伝授!



↑おうちのひととも協力してつくっています。


↑次第に器の形になってきましたね。

午前中に1時間半程制作した後は休憩を挟み、午後から続きを再開しました。


↑子ども達の集中力は途切れることなく真剣です。


↑きれいな形の器ができていますね。


↑形が完成し、側面を装飾している親子も。


↑仕上げには、お茶碗の底を削って高台をつくります。難しい作業なので前田さんがお手本を見せてくれています。


午前と午後合わせて、全部で2時間半かけて器づくりを終えました。

全て掲載できないのが残念ですが、作品の一部をご覧ください。






みんなが土と真剣に向き合ってつくった作品は、どれも大人顔負けの立派なお茶碗になりました。
実は、今回のワークショップは作品をつくるだけに留まらず、器を焼成した後は自分のつくったお茶碗でお茶会をします。そのため、みんな実際に使用することを意識してつくりました。中にはお茶会が終わった後に、みそ汁を入れたいという子や、このお茶碗でカニを食べたいという子もいました。何に使うか考えながら器をつくり、完成したら実際に使うことで、ものへの愛着が湧いてくると思います。大切に使い続けてもらえれば嬉しいですね。


最後に先生と子どもたちで記念撮影!

長時間、お疲れ様でした!

実は、今回のワークショップはお茶会後もまだまだ続きがあります!
制作した器は、なんと近江八幡市立かわらミュージアムの企画展「八幡瓦と八幡堀から伝えたい思い」で展示されます。
こちらの展覧会の会期は11月13日(水)〜12月23日(月)です。
くわしくは、近江八幡市立かわらミュージアムへお問い合わせください。