たいけんびじゅつかん「おてがる藍染めに挑戦!!」を開催しました

たいけんびじゅつかん「おてがる藍染めに挑戦!!」を9月20日(日)に開催し、大人と子ども合わせて24人の方に参加していただきました。
シルバーウィークの中日にも関わらず、たくさんの方にご応募いただき、応募総数は71人で、およそ3倍の倍率を勝ち抜いて来られた分、気合い十分!のみなさまが集まってくれました。


今回のたいけんびじゅつかんは、9/23まで開催していた企画展「志村ふくみ展−自然と継承―」の関連ワークショップです。
タデアイから染める藍染めは、本来、準備と時間がとてもかかるもので、まず藍の葉を発酵させた「蒅(すくも)」や「灰汁(あく、木を燃やした灰を熱湯に入れて作ったもの)」、「石灰」などを藍甕(あいがめ)に仕込みます。それから一定の温度を保たせ、朝夕かき回していると表面に「藍の花」と呼ばれる泡が浮き出てき、糸が染められるようになります。今回のワークショップでは、そのような本格的な藍染めはできませんが、その代わりに藍の新鮮な葉っぱを使って簡単に染める方法を体験してもらいます。

初めは、藍染めの前にハーブでハンカチを染めます。


↑奥が「ローズマリー」、手前が「月桂樹(げっけいじゅ)」です。


↑全員で剪定ばさみを使って枝をカット。


↑それぞれ鍋でおよそ1時間煮込みます。

煮込んでいる間は、担当学芸員より、展覧会のギャラリーツアーを行いました。
初めは、実際に志村ふくみさんが染めている写真を見ながら、草木染めの方法を知ってもらいました。志村ふくみさんが染めた糸はたくさんの色のグラデーションで展示してあり、それを目の当たりにしたみなさまから、ため息がもれていました。


学芸員「みんながこれから体験する藍染めはどの色に染まるかな?」
また、学芸員からの、どれでも着物をプレゼントしてもらえると言われたら、どれがいいかな?という質問に、子どもも大人も真剣に選んでいました。

ギャラリーツアーの後はハーブの匂いが立ち込めるワークショップルームに戻ります。
ローズマリーと月桂樹はどんな色に染まるでしょうか?


↑染める前のハンカチに、糸で絞り模様をつけます。


↑鍋でハンカチを煮て染めます。なんだか、おでんみたい。


↑20分後取り出し、灰汁でできた媒染(ばいせん)液に浸します。


↑干して、乾いたらできあがり!どちらが何で染めたかわかりますか?
手前の赤みがかかったものが月桂樹、となりの黄みがかったものがローズマリーです。

お昼休みを挟んで、午後からはいよいよ「おてがる藍染め」です!!


↑こちらがタデアイ、およそ300株です。
こちらのタデアイは、当館のサポーター(ボランティア)が自宅の庭で、春から種を蒔き、枯らすことなく毎日丹誠込めて育て上げたものです。これを早朝に刈り採り、美術館まで運んでくれました。



↑一人100枚の葉っぱを集めます。


↑葉っぱを水の中で揉み込み、水を青汁のような液体にしていきます。


↑ハンカチを染液につけ、水の中につけ、また染液につけて・・・を繰り返します。
水の中の空気に触れると、藍は緑色から青色に変わって行きます。


↑きれいな藍のグラデーションのハンカチが完成―!
(当館では勝手にこの染め方を富士山染めと命名!)

自然から育まれた草木の抱く色をいただくことによって得られた美しさに、みなさま感激されていました。
今回使用した媒染液を作った木灰や月桂樹を持って帰られた方がいらっしゃいました。ぜひ、ご家庭でも草木染めを楽しんでいただければ大変嬉しいです。草木染めを通して、子どもたちに、植物を身近に、敬意を持って感じてもらえますように・・・。

次回のたいけんびじゅつかんは、10月18日(日)開催予定の羊毛フェルトでふわふわ壁飾りを作ろう!」です。


布にクレヨンで絵を描き、羊毛フェルトでデコレーションしよう。半立体的なオリジナル壁飾りをつくるよ。
日時/10月18日(日)
  ①9:40-12:40 ②13:30-16:30
対象/小学1年生〜中学3年生とその保護者
定員/各回15人
材料費/一人800円
講師:山野若菜さん
大阪府出身の羊毛フェルト作家。2009年に京都市立芸術大学大学院 美術研究科 彫刻専攻を修了。
2012年に羊毛フェルトのバッジブランド「wakana yamano」を立ち上げる。

応募締切:10月5日(月)必着 材料費:一人800円
このイベントについて詳しくはこちらまで。皆様のご応募お待ちしております。