「夏休み子ども美術館」が始まりました
当館恒例の夏の常設展示「夏休み子ども美術館」は、館蔵品を楽しみながら鑑賞できる、子どものための展示です。本日よりオープンした今年度の「夏休み子ども美術館」は「ヒトツがならんでイッパイふえて」と題し、今年は美術の基本要素である「数」と「順序」「整列」などをテーマに開催いたします。
現代美術部門の展示室では、ならんだ形が様々な世界をつくりだしている田中敦子(たなか・あつこ)や李禹煥(リー・ウーファン)、山形博導(やまがた・ひろみち。ヒロ・ヤマガタ)らの絵画作品に始まり、ずらりと並んだ五十音やひらがな、アルファベットをモチーフにした平林薫(ひらばやし・かおる)、ジャスパー・ジョーンズ、クレス・オルデンバーグの作品、そっくりの人体がずらりと並んだマグダレーナ・アバカノヴィッチや今井祝雄(いまい・のりお)の作品、よく似ているけれどちょっと違う作品がふたつ並んだ小枝繁昭(こえだ・しげあき)や中西夏之(なかにし・なつゆき)ら作品など、様々なアイディアと技法によるユニークな作品群をご堪能いただけます。
日本画・郷土美術部門の展示室では、富士の裾野に牛がひしめきあう小松均(こまつ・ひとし)の作品に始まり、同じモチーフを一人の人物と二人の人物で描き分けた中村貞以(なかむら・ていい)の作品、繰り返しによる自然の中のリズムを表わした伊砂利彦(いさ・としひこ)の染織や野添平米(のぞえ・へいべい)の日本画作品、同じ人間がひとつの画面に何度も登場する三橋節子(みつはし・せつこ)や守屋多々志(もりや。ただし)の作品、そして四季や十二ヶ月それぞれの自然や風物を連続する画面に表現した岸竹堂(きし・ちくどう)や松本楓湖(まつもと・ふうこ)の作品など、日本美術ならではの興味深い表現の数々をご鑑賞いただけます。
なお展示中の全作品には、一作品ごとに必ず鑑賞の手引きキャプションが用意されており、今回の展示のイメージキャラであるひとりぼっちの子犬「ポッチー」と兄弟がいっぱいのすずなり猫「すずにゃんズ」、それに数を数えるのが大好きな体操ミミズクの「ホーイチにいさん」といった可愛いキャラクターたちが、おしゃべりしながら作品鑑賞の手助けをしてくれます。もちろん、作品をより深く鑑賞していただくためのクイズも用意しています。
そして会場入口では、書き込みながら作品を見て回ることでより一層展示が楽しめる「かきこむワークシート」を無料配布中。書き込む際に便利なように、希望者にはバインダーの貸出しも行なっています。
展示室の出口にはプレイコーナーが用意されており、ここではこれまで見てきた作品がカードになって皆さんをお待ちしています。作品カードを使った数種類のアートゲームをぜひ遊んでみて下さい。楽しく遊びながら、作品がこれまでよりもずっと身近に感じられ、楽しめるようになることでしょう。
来週から始まる企画展『バーナード・リーチ展』の鑑賞の帰りにも、ぜひこちら常設展示室にもお立ち寄り下さいね。
■常設展示「夏休み子ども美術館:くヒトツがならんでイッパイふえて!」 6月28日(火)−8月28日(日)
休館日:毎週月曜日 ただし7月18日(月・祝)は開館、翌19日(火)休館
観覧料(共通):一般 500円(400円))、高大生 300円(240円)、小中生 無料 ( )内は20名以上の団体料金。
※企画展の観覧券で常設展も観覧できます。
※毎日、午後2時から美術館サポーターによるギャラリートークを行います。