第2回「笹山忠保 スライドトーク」開催のお知らせ


▲笹山忠保「横になった円筒」 2010年 公益財団法人秀明文化財団蔵
滋賀県立近代美術館友の会ではきたる9月22日(木・秋分の日)、陶芸家の笹山忠保氏をお迎えして「笹山忠保 スライドトーク」を連続で開催いたします。
これは8月27日(土)に開催された第1回「笹山忠保 スライドトーク」に続く第2回で、『現代陶芸の第二世代以降』というテーマのもと、現代陶芸の最先端の状況について作家の視線からお話いたします。
さまざまな芸術家との交流のなかで、現代陶芸作品の創作の道を切り拓いてきた作家が自らの口で語られる貴重なお話に、ぜひご期待ください。(友の会会員以外の方もご参加いただけます。)

▼日 時:9月22日(木・祝) 午後2時─4時 第2回 [ 現代陶芸の第二世代以降 ]  
▼講 師:笹山忠保氏(陶芸家)
▼対 象:友の会会員 および 一般の方
▼定 員:30名 事前の参加申し込みは不要です
▼会 場:当館2階ワークショップルーム
▼問い合わせ:滋賀県立近代美術館友の会 事務局
 〒520-2122 大津市瀬田南大萱町1740-1
 TEL 077-543-2111  FAX 077-543-4220


■寄稿「1948年 前衛陶芸の先駆者から、2000年までの現代陶芸の動向」笹山忠保
戦後の陶芸をけん引し、前衛陶芸運動が始まり、オブジェ焼が発表されたのは1948年八木一夫、山田光、鈴木治ら、京都の若手陶芸家たちが前衛陶芸集団「走泥社」と云うグループを結成したのが始まりである。それ以前に、京都市美術大学(現・京都市立芸術大学)の教授であった辻晉堂が土で抽象彫刻の大作を制作し、京焼の登り窯で焼いていたのであったが、これは陶彫とかテラコッタと呼ばれていたのである。走泥社の創立メンバーの人たちは、辻晉堂や、金属の抽象彫刻家の日本のパイオニア堀内正和や、ヨーロッパの抽象表現主義の芸術や、彫刻家のイサム・ノグチなどから、少なからず影響を受けていたのは確かなことである。
又、当時の官展などの権威主義にも大きな不信感をもっていて、走泥社の規約には公募展に出品を禁ずるといったことも決められていたのである。その後、第二世代と云うべき若い作家が加わり私が1968年同人として参加した時は16名のグループになっていた。又、走泥社以外にも、新しい土の表現を求めて、前衛陶芸の運動は全世界に広がりを見せ、今は現代陶芸と呼ばれ多様なやきものの表現が見られるようになった。
今回、滋賀近美の友の会では、1945年の辻晉堂から2000年頃までの約50名の私の知っている現代陶芸作家の作品をスライドで見ながら、それぞれの作家の作品の制作背景や理念をわかりやすくお話したい考えである。

▲笹山忠保「赤い三つのかたち」 2006年 岐阜県陶芸美術館蔵