夏休み子どもイベント「ぼくらのジオラマート」レポート


当館は1993年から毎年夏休みに、子ども向けのワークショップイベント「びっくりミュージアム」を開催しています。これはふだん教室や家庭ではできないような大掛かりなアート体験をしてもらおうと、豊富な材料を用いて作品制作を行ったり、スタッフと共に美術館探検や展示品観察などの集団ワークショップを行ったりするもので、毎月開催しているワークショップ「たいけんびじゅつかん」とはまた違ったアート体験ができる機会として毎回好評をいただいています。
今年の「びっくりミュージアム」は8月7日(土)・8日(日)の2回実施の「ぼくらのジオラマート」と、8月11日(水)・12日(木)実施予定の「アートなサファリたんけんたい」の2種類が行われます。今回はこのうち、好評のうちに終了した「ぼくらのジオラマート」の内容をレポートさせていただきます。

「ぼくらのジオラマート」は、美術作品の複製図版を元にしたジオラマ作りのイベントで、常設展示室を観賞後、それらの作品に触発されるかたちで自分だけの世界を、豊富な材料を駆使して作り上げようというものです。参加した子どもたちは、8月7日(土)21名、8日(日)22名の計43名。暑さのせいか当日の欠席者が多かったのが残念でした。


さて参加者の子どもたちは、まず常設展示「夏休み子ども美術館:アートのぶつブツえん」を鑑賞した後、会場である講堂に戻り、アート博士の説明を聞いて用意された16種類の「美術作品の複製図版」の中から、ジオラマの背景(ホリゾント)となる1点を選びました。


この中には古今東西の有名作品や、さっき見てきたばかりの作品も含まれており、子どもたちは気に入ったものを選んでその図版をスチレンボードに貼り、L字型に組み合わせてジオラマのベースを組み立てました。どれも強烈なイメージの作品ばかりなので、この背景を選んだ次点で子どもたちのジオラマのイメージも、だいたい固まったようです。


次に古今東西の美術作品に登場する動物たちの複製画(切り抜き)をもらって、それをジオラマの上に配置してゆきます。紙粘土やスチレンボードをうまく使えば、これらの動物は床に立てたり、壁に留めたり、あるいは空中にぶら下げることだってできます。

だいたいの枠組みが出来上がったら、今度は細かいパーツを設置してゆきます。色紙やビーズ、モール、人形など豊富に用意したパーツを自由に使って、ジオラマの舞台を盛り上げてゆきます。


紙で木を作ったり、池や道路を描き入れたり、爪楊枝をうまく使って動く仕掛けを作ったり。想像力と工夫次第で、いろんなものが生まれます。ふだん学校や家庭で用意できないような豊富な材料に触発されて、子どもたちの創造力もふだん以上に刺激されたのではないでしょうか。

午後2時頃から4時半頃まで時間をフルに使って、ようやく楽しい作品の数々が完成いたしました。ここでは完成作品のほんの一部をご紹介いたしましょう。

↑森のフルーツパーティーでしょうか?女の子らしい可愛い作品です。

↑木や川が見事に再現されています。地面に丹念に描かれた模様も名人芸です。

↑幼児の作品ですが、海の底の楽しい家族が整然と表現されています。

↑これも幼児の作品です。大好きなレスキューの世界をダイナミックに作ってみました。

↑あちこちにパーツを散らした、お祭り騒ぎのように楽しい作品です。