平成22年度「わたし流・作品スケッチ大会」審査結果発表

常設展示室に展示中の作品を、子どもたちに自由に模写してもらう夏のイベント「生まれ変われ名画 わたし流・作品スケッチ大会」。今年は7月10日(土)・11日(日)・18日(日)・19日(月・祝)の4日間にわたり開催し、84名の小学生および幼児の参加がありました。
これらの参加者から応募いただいた81点の作品は、8月17日(火)から22日(日)まで、当館のギャラリー展示室で展示いたします。これに先立ち、美術館のスタッフによって優秀作品の審査を行い、以下に挙げる7点の作品の入選が決定いたしました。

見事グランプリを受賞したのは、堀池理樹くん(9歳)の作品『イーグルロボシャーク』でした。
現代美術部門の展示室に陳列されていた、岩下哲士「わし」、池村玲子「さかな」、山口晃「厩図2004」という3つの作品を元に、ユニークなロボット生物を描いてくれました。ダイナミックさとカラフルな色彩が、多くの審査員の目を惹き付けたもようです。

準グランプリは、深尾咲紀さん(小4)の『姉妹』小倉遊亀の「姉妹」、「兄妹」の2点を下敷きに、心暖まる家族の肖像を描いてくれました。4人の衣装が千代紙のちぎり絵になっていたり、ベルトやアクセサリーなど芸の細かい表現も受賞のポイントだったようです。

技術的に優れた作品に送られる「テクニック賞」、今年の受賞は次の3人でした。

セロファンを用いた紅葉の表現が美しい、秋山レナさん(小6)の『秋』
もとの作品は中島来章の「十二ヶ月図より十月」です。

たんぽを使った背景の木々の表現が面白い、松谷柚さん(小4)の『きれいな木を見ているトラ』
もとになった作品は、岸竹堂の「猛虎図」です。

そしてキラキラの金銀の紙を巧みに使った、北村現くん(小2)の『×進化』
池村玲子の「さかな」をメインに、イサム・ノグチの「幼年時代」と菅井汲の「まるい森」を組み合わせて作った作品です。

ユニークで楽しい表現に与えられる「ユニーク賞」の受賞は、次の2人でした。

伴菊香さん(小1)の『シャカシャカだんす』は、アンディ・ウォーホルの「フラワーズ」をメインに据え、三橋節子の「鬼子母神」と、小倉遊亀の「観世音菩薩」「観自在」をうまく組み合わせた作品。カラフルな色彩と、花の表現方法が面白い作品です。

澤井来実さん(小5)の『楽しく泳ぐ魚たち』は、池村玲子の「さかな」をうまくアレンジして、楽しい自分だけの世界を作り上げた作品です。

これら優秀作を含む81点の作品は、8月17日(火)から22日(日)まで、ギャラリー展示室で展示いたします。子どもたちの新鮮な感性に溢れた作品群を、ぜひご覧下さい。