秋の常設展示のご案内

まもなく9月。芸術の秋の到来です。現在開催中の常設展示「夏休み子ども美術館:アートはヒミツのかくれんぼ」は9月4日(日)で終了し、週が明けた9月6日(火)からは秋の新しい常設展示が始まります。

常設展示室1(日本画・郷土美術部門)ではきたる9月6日(火)から10月30日(日)まで『再興院展の輝き』と題し、当館の収蔵方針である「日本美術院を中心とした近代の日本画」の中から、大正3(1914)年に横山大観(よこやま・たいかん)らによって再興された「再興院展」の出品作品や主要画家の作品を中心とした展示を行います。
大正から昭和初期にかけて、再興日本美術院が開催する展覧会「再興院展」では、近代日本画の歴史を彩る代表作・問題作が次々と発表されました。今回の展示では、大観をはじめ再興院展を舞台に活躍した主要画家である安田靫彦(やすだ・ゆきひこ)、前田青邨(まえだ・せいそん)、速水御舟(はやみ・ぎょしゅう)、冨田溪仙(とみた・けいせん)らの名作・秀作21点を展示し、「再興院展の精華」を存分に味わっていただきます。


一方、常設展示室2(現代美術部門)では9月6日(火)から12月18日(日)まで『戦後アメリカ美術の軌跡』と題し、当館の収蔵方針である「戦後のアメリカと日本を中心とした現代美術」の中から、アメリカ現代美術の黄金期と呼ばれる1950・60年代の作品を中心に、代表的な作品を通してアメリカ現代美術の流れがわかるような展示を行います。
それまでのヨーロッパ美術の価値観を打ち砕き、新しい世界を切り開いて一躍前衛美術の主流となった、アーシル・ゴーキー、マーク・ロスコ、クリフォード・スティルらに代表される1950年代の『抽象表現主義』に始まり、その抽象表現主義を乗り越えるために日常の事物を画面に導入した1950年代末『ネオ・ダダ』のジャスパー・ジョーンズロバート・ラウシェンバーグ、そして1960年代に登場し、誰もが知っている現代社会のイメージを元に辛辣でかつ親しみやすい作品を次々と生み出して、広告やイラストなど現代文化全般に大きな影響を与えた『ポップ・アート』のアンディ・ウォーホルやロイ・リキテンスタイン、トム・ウェッセルマンら、アメリカ現代美術の流れを彩った巨匠たちの名作を数多くご覧いただけます。

今年の芸術の秋は、ぜひとも滋賀県立近代美術館が誇る名作の数々をご覧下さい。


■常設展示「再興院展の輝き」 9月6日(火)−10月30日(日)
        「戦後アメリカ美術の軌跡」 9月6日(火)−12月18日(日)

観覧料(共通):一般 450円(360円)、高大生 250円(200円)、小中生 無料
( )内は20名以上の団体料金。
※企画展の観覧券で常設展も観覧できます。
※毎日、午後2時から美術館サポーターによるギャラリートークを行います。

写真:安田靫彦「飛鳥の春の額田王