館長からの年賀状


皆さま、新年明けましておめでとうございます。滋賀近美館長の秋山です。
昨年は、東日本大震災を始め幾多の災害がわが国を襲い、特に人と人との絆の大切さ、尊さを痛感した年でした。併せて、人々の心に訴えかける文化や芸術の持つ力を再認識できた年でもありました。
そのような中で、多くの方々に当館へ足をお運びいただき、まことにありがとうございました。5本開催しました企画展のうち3本が、一応の集客目標としている観覧者数1万人を超えました。これは平成16年以来7年ぶりのことで、とてもうれしく思っています。
また、昨年は、「美の滋賀」の発信を目指して、当滋賀近美のこれからのあり方を含めて外部有識者を始め幅広い層により活発な議論がなされた年でもありました。今年は、その議論をさらに深め、開館30周年を見据えて、より皆さまに親しんでいただける新生美術館としての具体的な姿を立ち上げていくことが求められていると思います。ぜひ皆さまのご意見をお寄せください。
そうした議論と並行して、今年も引き続き皆様のご期待の沿えるよう、滋賀近美ならではのきらりと光る多彩な展覧会を計画しています。都心の喧騒からちょっと離れて、緑豊かなびわこ文化公園の散策も兼ね、当館で心安らぐ充足の時間を過ごされてはいかがでしょうか。
スタッフ一同、皆さまのご来館を心からお待ち申し上げております。どうか本年も、滋賀近美へのご支援・ご鞭撻をよろしくお願い申し上げます。

平成24年元旦
滋賀県立近代美術館長 秋山茂樹

(図版:岸竹堂「三社図」(部分))