「夏休み文化ゾーン子ども探検隊2012」レポート


さる7月27日(金)、当美術館を含む「文化ゾーン」内の5施設が共同で開催する小学生向けのイベント「夏休み文化ゾーン子ども探検隊」が、午前8時半─正午と、午後1時─4時半の2回にわたって実施されました。
小学校3年生から6年生まで、各回35名ずつの子どもたちが5つの施設を順に巡り、施設ごとにさまざまな体験をして楽しいお土産を持ち帰るというイベントです。今年のテーマは「ワクワクびっくり5つの世界! 作って、探して、飛ばしてみよう!」。子どもたちが各施設で体験したイベントは次のようなものです(基本的な内容はどの施設も昨年と同じ)。
・県立図書館「書庫の森で本を探そう」:80万冊の本が並ぶ地下書庫を探検。
・県立近代美術館「アートなたからさがし」:作品の謎を解いて隠された宝を見つけよう。
埋蔵文化財センター「レトロレトロの展覧会を探検しよう」:今年見つかった遺跡の紹介。
近江鉄道ゆうグループ「アースアート」:木の枝や木の実など自然素材を使った工作
・県立東大津高等学校「水ロケットを飛ばしてみよう」:ペットボトルロケットの飛距離を比べよう。
このブログでは、当館が実施した「アートなたからさがし」についてレポートしたいと思います。

最初の訪問施設である図書館での探検を終え、2番目の訪問施設である当館にやって来た子どもたちを、おなじみアート博士が出迎えます。ここで子どもたちを「A・B・C」の3つのグループに分け、美術館の中の地図も手渡します。


まずは博士と一緒に常設展示室を見学。美術館にしょっちゅう来ている子どもたちもいれば、今日が初めての来館となる子どもたちもいましたが、皆熱心に博士の解説に耳を傾けています。この解説の中に、後で登場する「謎解き」のヒントがこっそり隠されているのです。


展示室を出た子どもたちに突然、謎の怪盗「ルパンダ」からのメッセージが届きます。博士のポケットに、いつの間にかルパンダがボイスレコーダーを仕込んでいたのです。ルパンダは賢くて勇気のある子どもたちが大好き。子どもたちに「ワタシの出す謎が解けたら、ワタシのおたからをあげるアルよ」と挑戦状を叩きつけてきました。挑戦状のありかについてのヒントは、ルパンダがスタッフたちの背中にこっそり貼り付けています。

子どもたちはA・B・Cの3つのグループに分かれ、館内3ヶ所に隠された「ルパンダの挑戦状」を探しだし、そこに書かれている「作品に関するクイズ」を解かなければなりません。クイズを解くと、各グループ2つずつのキーワード(ひらがな1文字)が手に入ります。6つの文字をうまく並べると、ルパンダが美術館のどこかに隠したおたからのありかがわかるのです。

6つの文字を並べて出来上がった文章は、「あ」「か」い「て」「つ」の「と」「り」のそば。すなわち美術館の中庭に立つ、カルダー作の赤い鉄の彫刻「フラミンゴ」のそばに、ルパンダのおたからが隠されているのです。さあ、急いで探しに行きましょう。草むらの中に、ガチャガチャの機械が見つかるはずです。


博士のポケットの中に隠されていたコインを使って、一人一回ずつガチャガチャを回しましょう。中から出てきたのは「ルパンダの七つ道具のひとつ:フィンガーブラックライト」。紫外線を出す小さなライトで、暗いところで紙を照らしてみると蛍光インクで書かれた部分が光ってみえる、暗号解読の道具なのだそうです。オマケとして、さっき展示室で見たばかりの作品に隠された謎を解き明かすシート(正解が蛍光マーカーで記されているもの)が2枚付属しています。

これで美術館での探検は終了。忘れないように探検ノートに記念のスタンプを押したら、今度は次の目的地、埋蔵文化財センターです。博士や当館のスタッフたちとはここでお別れですが、きっと他の4つの施設でも、子どもたちはそれぞれに忘れられない体験ができたことでしょう。忘れられない夏の一日になっているといいですね。