たいけんびじゅつかん「琵琶湖の微生物をモティーフに、アートしてみよう」が開催されました。

たいけんびじゅつかん「琵琶湖の微生物をモティーフに、アートしてみよう」が9月22日(土)に開催され、大人と子どもを含め、44人の方が参加されました。

今回のたいけんびじゅつかんは、アーティストと一緒にワークショプを行う「キッズ ミート アーティスト!」と題した今年度初の試みで、2012年度第1弾となる今回は、企画展「『自然学』|SHIZENGAKUー来るべき美学のためにー」の出展作家であるアーティスト宇野君平さんを講師としてお迎えしました。



宇野君平さんは、「鉄」を使った彫刻家で、「鉄を通して見えてくるもの」をキーワードに活動されています。出展作品は「鉄」でプランクトンを表現した作品で、宇野さんがプランクトンに出会った時の感動を子どもたちにも味わってもらいたいという思いから、今回のプランクトンをモティーフにして表現するワークショップが生まれました。

また、琵琶湖博物館からプランクトン博士である、楠岡泰さんも講師にお迎えし、プランクトンの詳しい解説をしていただきました。

ワークショップのはじめは、そもそも「プランクトンってなんだろう?」というところから楠岡博士のお話がはじまりました。立体的にプランクトンを見ることができる実体顕微鏡を使って、博士が朝に琵琶湖で採取したプランクトンをモニターに映し出しながら紹介しました。普段は目にすることのできないプランクトンを目の当たりして、子どもたちは大興奮!中にはプランクトンに詳しい子どももいて、大人たちを驚かせていました。

立体的なプランクトンを作るために、子どもたち自ら顕微鏡を使って、まずは観察スケッチ。



↑たくさんのプランクトンの中からお気に入りのプランクトンは見つかるかな?



↑色のないプランクトンに、自由に色を塗っています。

観察スケッチの後は、いよいよプランクトンの作品作りです。プランクトン作りには「おゆまる」という素材を使用します。この「おゆまる」は、お湯に入れると自由に形を変えられるちょっと特殊なプラスチックねんどで、12色の中から好きな色を選びます。
ここからはアートの要素も加わり、宇野さんが「わからないところは想像してみよう」、本物そっくりではなくてもいいので、「冒険してみよう」と子どもたちにプランクトン作りの極意を伝授しました。


↑たくさんの小さな球体を、違う色の大きな球体で覆って工夫しています。



↑作っているうちに、プランクトンに愛着が湧いてきますね。



↑「おゆまる」は扱いが難しいのですが、細かく作られていますね。

ワークショップの最後は、みんなの作品を並べて作品鑑賞会をし、アーティストと博士による作品の合評を一人ずつ丁寧に行われました。




↑こちらの予想を超えた子どもたちの作品に、宇野さんもびっくり。


↑子どもたちの作品に、楠岡博士のプランクトンの解説にも熱が入ります。


↑本物を越えたアートな作品に、思わずみんなの笑顔もこぼれます。



子どもたちのプランクトンはどれも個性的で、本物そっくりなものもあれば、可愛い形のもの、かっこいい形のもの、たくさんの色を使ったものなどアーティスティックな作品ができました。
楠岡博士も「こんなに可愛いプランクトンが琵琶湖にいたらいいね〜。」とおっしゃっていました。
みんな「おゆまる」を扱うのがとても難しかったと感想をこぼしていましたが、作るうちに扱い方がわかってきたのでしょうか、技術的にも完成度の高い作品ができあがっていました。

作品作りの後は、宇野君平さんの解説による、企画展「『自然学』|SHIZENGAKUー来るべき美学のためにー」のギャラリーツアーを行いました。


↑宇野さんの作品「鉄×緑≒共生(イカダモ)」の迫力に圧倒される子どもたち。



↑宇野さんの特別な計らいにより、この時だけ作品に触っても良いという許可が。みんなは大喜びで一斉に作品に飛びついていました。こんなに貴重な体験は滅多にできませんよ〜。


顕微鏡を使ったり、スケッチしたり、作品を作ったり、鑑賞会をしたり、ギャラリーツアーをしたり、と盛り沢山な内容でしたが、みんな最後まで頑張っていました。
サイエンスとアートのコラボレーションした体験をきっかけに、科学に興味がなかった子がプランクトンの面白さを知ったり、新しい表現方法を知って美術がもっと好きになったり、色んなことを感じることができたのではないでしょうか。この中から将来は科学者になる子や、芸術家になる子、そのどちらにもなる子(!?)がいるかもしれない、と思わせる今回のワークショップは大盛況のうちに幕を閉じました。

お土産に、みんなに好きな色の「おゆまる」を選んで、持って帰ってもらいました。突然のお土産に、みんな大喜び!立体作品を作ることも好きになったてもらえたでしょうか。


次回のたいけんびじゅつかんは10月27日(土)開催予定の「てぬぐい絵巻〜てぬぐいをデザインしよう〜」です。
石山寺縁起絵巻に登場する人々や風景、動物などを参考に、てぬぐいを絵巻風にデザインします。できあがったてぬぐいは最後、絵巻のように仕立てます。もちろんてぬぐいとしても使用できます。

企画展「石山寺縁起絵巻の全貌」を当館学芸員の解説とともに鑑賞します。
応募締切は10月15日(月)必着です。
※ 材料費500円が必要です。
このイベントについて詳しくはこちらまで。 皆様のご応募お待ちしております。