夏休み子ども美術館、今年は6つのミニ展示の詰め合わせ!


もうすぐ夏休み。県立近代美術館では毎年夏に、子どもたちや初心者を対象とした美術入門編の展示『夏休み子ども美術館』を開催しています。6月25日(火)から始まる今年の夏休み子ども美術館は、ユニークなテーマを設定した数点の作品による『小展示』が6つ集まった、ミニミニ展覧会の6本立て詰め合わせの構成でお届けいたします。
それぞれのミニ展示ではは展示作品数を少数に絞り込み、これまでの「夏休み子ども美術館」では取り上げることができなかったややマイナーなテーマ設定を行なうことで、バラエティ豊かな日本画作品や現代美術作品に触れていただけるようになりました。展示作品数は、現代美術部門33点、日本画・郷土美術部門16点。および併設の小倉遊亀コーナー(16点)と工芸展示コーナー(4点)を含めて、総展示点数は計69点となっています。
展示作品のひとつひとつには、それぞれ趣向を凝らしたクイズが設けられています。ただ作品を漫然と眺めるだけでなく、知的好奇心を刺激されながら様々な方向から作品を観賞することで、知らず知らずのうちに作品を観る目が育ってゆきます。無料配布のガイドブックを片手に質問に答えながら、ぜひアートの世界の多様さ、奥深さを体験いただきたいと思います。また作品展示の他に、カードで遊べるプレイコーナーも用意しています。
なお会期中、展示に関連したワークショップイベントなどを多数開催いたします。詳細は追ってお知らせいたします。


ここでは各ミニ展示のテーマとそのさわりをご紹介いたします。

【びっくり!にせものアート】(現代美術部門。作品9点展示)
フェイク(偽物)をテーマに、過去の名画のパロディ作品から果ては鑑賞者の偽物、監視員の偽物まで、様々な「ニセモノ」ばかりを集めたミニ展示です。
(上の図版:郭徳俊「フォードと郭(A)」ざっしと かがみで アメリカの 大とうりょうに はんぶん へんしんしたよ)

【アートな ふしぎ せいめいたい】(現代美術部門。作品12点展示)
バイオモルフィック(生き物のような形)をテーマに、微生物から植物、動物まで、様々な生き物を連想させる現代美術作品ばかりを集めて「何に見える?」か想像を楽しむミニ展示です。
(上の図版:サム・フランシス「星の詩」 ミクロの 生きもの? それとも うちゅうで 生まれた ほしの あかちゃん?)

【カラフル★ワールド】(現代美術部門。作品12点展示)
目をみはるようなカラフルな表現が特徴的な日本の現代絵画ばかりを集めた癒し系のミニ展示です。人口に「カラフル」といっても様々な表現手法があることに注目してもらます。
(上の図版:田中敦子「黒い三ツ玉」 色の たまが いっぱい。こぼれおちる 色とりどりの キャンディーみたい)

【こわい え】(日本画・郷土美術部門。作品4点展示)
シュールかつ不気味な表現で人間存在の闇を見つめ続けた、八島正明(やしま・まさあき)と岡田徹(おかだ・てつ)という2人の洋画家の作品を中心に据え、怖い絵の中に描かれた真実を捉え直そうとするミニ展示です。
(上の図版:岡田徹「部屋」 すわっているのは だれ? くびが ちぎれそうな がいこつ みたいな 女の人?)

【みたい♥めでたい♥ありがたい】(日本画・郷土美術部門。作品8点展示)
正月の縁起物の吉祥画から仏画や宗教画まで、おめでたくありがたい日本画ばかりを集めたミニ展示です。松竹梅や鶴亀などの縁起物がどこに描かれているか捜す楽しみもあります。
(上の図版:野添平米「松竹梅小禽図」 マツ、タケ、ウメ。おめでたい しょくぶつ せいぞろい。あれ? タケは どこ?)

【えの なかを たびしよう】(日本画・郷土美術部門。作品4点展示)
大画面の屏風にパノラマ的に描かれた風景画作品。作品の中に入り込んだつもりで右から左に作品を眺めてゆくと、まるで旅をしているような気分になれる作品を集めたミニ展示です。
(上の図版:大林千萬樹「街道」(右隻) おれまがった びょうぶの なみ木を ぬって たびびとたちと あるいてみよう。)



■常設展示「夏休み子ども美術館:ミニミニてんじのつめあわせ!」 6月25日(火)−9月1日(日)
休館日:毎週月曜日 ただし7月15日(月・祝)は開館、翌16日(火)休館
観覧料(共通):一般 450円(360円))、高大生 250円(200円)、小中生 無料 ( )内は20名以上の団体料金。
※企画展の観覧券で常設展も観覧できます。
※毎日、午後2時から美術館サポーターによるギャラリートークを行います。