たいけんびじゅつかん特別展『飯川雄大|遭遇するとき』開催のお知らせ


\滋賀県立近代美術館では、平成14年度より「美術館をもっと身近に」をコンセプトに、小中学生と保護者を対象とした、作品解説や鑑賞をより深めるためのワークショップ企画「たいけんびじゅつかん」を行っています。今回は本企画の特別展とし、ワークショップに合わせて、展覧会の同時開催を試みます。
講師・出品作家である美術家の飯川雄大は、日々の生活で見過ごしてしまうようなモノや風景の潜在的な魅力を掘り起こし、人々の感覚のズレや記憶の曖昧さを写真や映像で表現しています。本展では、《時の演習用時計》の過去の全シリーズと本展のための新作を一堂に公開します。
《時の演習用時計》は、可視化できない「時間」の概念を独自のアプローチで再構成した、飯川が長年に渡って取り組んでいる映像作品のシリーズです。24時間の長さを持ち、毎日同じ時間に同じ映像が流れてくるこの作品は、さまざまな気づきを誘う出来事が映り込み、時間と私たちとの新しい関係を提案してくれます。
ワークショップでは、「偶然の出来事」や「何もおこらない時間」に着目し、飯川作品の成り立ちを追体験するようなプログラムを試みます。それは、今では見慣れた「映像」というメディアに対する多角的な視点を持つきっかけにもなるでしょう。ワークショップと展覧会を通じて、時にはユーモアを交えながら、人々が忘れてしまった自然との繋がりをそっと喚起させるような飯川の試みを体感してください。


■日 時:2013年 7月13日(土)ー7月28日(日)
■会 場:滋賀県立近代美術館 ギャラリー展示室
■観覧料:無 料
■主 催:滋賀県立近代美術館
■後 援:成安造形大学
■協 力:NECディスプレイソリューションズ/CASIO/株式会社キヌガワ京都/ソニーマーケティング株式会社/三菱電機株式会社


■飯川雄大(いいかわたけひろ)プロフィール:
1981年神戸市生まれ。成安造形大学デザイン科卒業。映像、写真、デザインなど様々な分野で柔軟に活動。ハジメテン、ばうみみ、COUMAなど、アーティスト・グループの活動も精力的に行う。主な活動歴として、「rendezvous 09」(Institut d’art contemporain・リヨン・2009年)、個展「FADE OUT, FADE UP」(成安造形大学ギャラリーアートサイト・滋賀・2012年)、共同制作として「横浜トリエンナーレ2005」(COUMA・横浜・2005年)、「ハジメテンのワンダフルハジメテンプル」(ハジメテン・神戸アートビレッジセンター・2012年)。今後の予定として「飯川雄大展」(Art Center Ongoing・東京・2013年7月24日−8月6日)、「Time is on my Side!」(八木良太との二人展・Platform China・香港・2013年9月)など。


■ワークショップ『たいけんびじゅつかん「偶然を見つけよう!」(映像ワークショップ)
』:
美術館のある文化ゾーンを巡りながら、目に映るものをビデオカメラで撮影してみましょう。自然に潜む偶然の出来事をキャッチできるかもしれません。撮影した作品は簡単な編集をして、みんなで一本の映像作品に仕上げます。
詳細は追ってお知らせいたします。


■関連の催し『オープニングトークイベント』
 飯川雄大がゲストとともに、作品やこれまでの活動についてお話しします。
 ▽日 時=7月13日(土)午後2時─
 ▽会 場=当館ワークショップルーム
 ▽参加費=無料
 ▽定 員=30名
 ▽ゲスト=澤隆志氏(映像作家/キュレーター)、八木良太(アーティスト)

▲《時の演習用時計 “ベンチ”》 Video still from The Clock for Practice of Time “Bench” 2008, Single-channel video, 24 hours.

▲《時の演習用時計 “グッドシチュエーション”》 Video still from The Clock for Practice of Time “Good Situation” 2006, Single-channel video, 24 hours.