秋の企画展示第1弾「ポップの目」、いよいよ9月7日オープン!


来月9月7日(土)から、秋の企画展示第1弾として、アメリカン・ポップ・アートを館蔵品を通して振り返る展覧会「ポップの目─アーティストたちは現代文化に何を見たか─」を開催いたします。
ポップ・アートは1950年代半ばのイギリスで生まれ、60年代のアメリカで花開き、70年代初頭にかけて全世界的に大きな影響をふるった現代美術の運動です。ポップ(ポピュラーの略。親しみやすい、誰でも知っている、の意)の名の通り、現代人なら誰でも知っている有名人や商品のパッケージ、時事の出来事、名画やマンガのイメージなどを作品のモチーフに用いました。そこには戦後の大量生産・大量消費社会と、マスコミ、マスメディアの発達がもたらした爛熟した現代大衆文化、そして公民権運動やベトナム戦争に揺れる1960年代アメリカ社会の矛盾に満ちた赤裸々な姿が反映されており、これらポップ・イメージは時代を象徴するわかりやすいイコン(聖図像)として、また社会を辛辣に風刺する写し鏡として、アートという枠を越えて現代文化、若者文化全般に広い影響を及ぼしました。
本展は、当館のコレクションを通して1960年代アメリカン・ポップ・アートという潮流を、いま一度振り返ろうとする試みです。アンディ・ウォーホル、ロイ・リキテンスタイン、クレス・オルデンバーグ、ジョージ・シーガルジェームズ・ローゼンクイスト、トム・ウェッセルマンら錚々たる顔ぶれの名品を通して、ポップ・アートとその背景となった現代文化との関係に注目しつつ、作家たちが作品の中に表現した諸要素をわかり易く読み解いてゆきます。
併せて、ポップ・アートの先駆者であるロバート・ラウシェンバーグジャスパー・ジョーンズ、それに篠原有司男や赤瀬川原平ら日本のアーティストたちの作品も展示します。特にラウシェンバーグ滋賀県信楽に滞在して制作した大掛かりな陶製の作品4点はめったに見る機会のないユニークなもので、当館では20年ぶりの公開となります。
アメリカン・ポップ・アートの全貌に触れることができる絶好の機会です。今年の芸術の秋は、ぜひ本展にご注目ください。

▲ロイ・リキテンスタイン「泣く女」

▲トム・ウェッセルマン「グレート・アメリカン・ヌード#6」

ロバート・ラウシェンバーグ「ゲート(北)」


企画展示『ポップの目─アーティストたちは現代文化に何を見たか─』

■会期=平成25(2013)年 9月7日(土)─10月6日(日)
■開館時間=9時30分─17時(入館は16時30分まで) 
■休館日=月曜日(ただし9月16日(月・休)・23日(月・祝)は開館し、翌17日(火)・24日(火)休館)
■観覧料=一般750円(550円)・高大生500円(400円)・小中生300円(250円)
     ※( )内は、前売および20名以上の団体料金
◆毎日、午後1時から美術館サポーターによる解説を行います。