秋の常設展第2弾「近江ゆかりの画人たち」は10月29日から

現在開催中の日本画・郷土美術部門の常設展示「人物の表現」は10月27日(日)で終了いたします。代わって、江戸から明治初頭に活躍した湖国滋賀ゆかりの画人たちの作品を紹介する「近江ゆかりの画人たち」が始まります(12月15日(日)まで)。なお、展示室2(現代美術部門)の「カオス(渾沌)とコスモス(調和)」は12月15日(日)までそのまま継続展示いたします。


現在の滋賀県旧国名である近江(おうみ)。古来より琵琶湖を擁する風光明媚の土地として知られ、特に近世以降は「近江八景」が画題としても人気を博し、その景物が多くの画人・文人たちによって描かれました。また近江国平安時代からの都・京都にほど近いこともあり、長年にわたって育まれた文化的土壌を背景として、優れた画人をあまた輩出しています。本展示「近江ゆかりの画人たち」では、主に江戸時代に活躍した近江ゆかりの画人達にスポットをあて、その作品をご紹介します。
展示は【「近江八景」を描く】と【近江ゆかりの画人たち】の二部構成になっています。第1部【「近江八景」を描く】では、湖国風景画を代表する画題である「近江八景」にスポットを当て、江戸末期に活躍した塩川文麟(しおかわ・ぶんりん)、森川曾文(もりかわ・そぶん)、岡本豊彦(おかもと・とよひこ)の3名の画人たちによる「近江八景図」を比較しながらご覧いただけます。

▲塩川文麟「近江八景


第2部【近江ゆかりの画人たち】では、まず『近江にルーツを持つ画人たち』として、近江蕪村と呼ばれた文人画家である横井金谷(よこい・きんこく)や、曽我蕭白の師とされる江戸中期の奇想の画家・高田敬輔(たかだ・けいほ)、それに幕末から明治初頭に活躍した近代日本画の先駆者である岸竹堂(きし・ちくどう)、中島来章(なかじま・らいしょう)、野村文挙(のむら・ぶんきょ)らの作品を紹介いたします。また『京都画壇から近江へ』と題するコーナーでは、山城国出身で大津に移り住み、横井近国と並んで近江蕪村と呼ばれた紀楳亭(き・ばいてい)や、大阪出身で滋賀県に嫁いだ女流南画家・野口小蘋(のぐち・しょうひん)らの作品をご覧いただけます。

▲高田敬輔「山水図」

▲岸竹堂「月下吼狼図」

▲中島来章「白梅金鶏鳥図」


上記の他にも興味深い作品がいっぱい。芸術の秋に合わせてぜひご観覧ください。
なお併設の小倉遊亀コーナーも、本展示に合わせて展示替えが行われます。新しい展示作品は「故郷の人達」「少将滋幹の母 挿絵」「窓辺」「山茶花」「百日草」「観世音菩薩」「家族達」「兄妹」「画人像」「或る御神像」「紅梅白壷」「瓶花」「花三題」の13点です。


■常設展示「近江ゆかりの画人たち」 10月29日(火)─12月15日(日)
     「カオス(渾沌)とコスモス(調和)」 9月3日(火)─12月15日(日)
観覧料(共通):一般 450円(360円))、高大生 250円(200円)、小中生 無料 ( )内は20名以上の団体料金。
※企画展の観覧券で常設展も観覧できます。
※毎日、午後2時から美術館サポーターによるギャラリートークを行います。