本日より、春から初夏の常設展示が始まりました

本日4月1日(火)から、常設展示室が春から初夏の展示に模様替えいたしました。展示室1(日本画・郷土美術部門)は山元春挙と早苗会」(5月18日(日)まで)、展示室2(現代美術部門)は「立体とオブジェ」(6月29日(日)まで)というテーマのもと、数々の秀作・名作を展示しています。


日本画・郷土美術部門の展示山元春挙と早苗会」は、大津市の出身で明治から昭和初期にかけての京都画壇を、竹内栖鳳(たけうち・せいほう)とともに支えた巨匠、山元春挙(やまもと・しゅんきょ)と、彼が主宰した画塾「早苗会」に集った日本画家たちの作品を特集して展示しています。
山元春挙は明治4(1871)年に滋賀県膳所(現大津市)に生まれ、伝統的な円山四条派の徹底した写生精神を引き継ぎながら、人間を圧倒する過酷な大自然に畏敬の念を向ける西洋のロマン主義的精神をもって、従来の日本画とは一線を画する雄渾で迫力に満ちた風景画を数多く描きました。昭和8(1933)年に病没するまで、京都画壇の重鎮として活躍しました。本展示でも「法塵一掃」「高嶽爽気図」「山村密雪図」「雪松図」をはじめとする春挙の代表的作品を、年代を追って展示しています。また春挙は明治42年に画塾・早苗会を開設し、そこからは川村曼舟(かわむら・まんしゅう)、庄田鶴友(しょうだ・かくゆう)、疋田春湖(ひきた・しゅんこ)、三宅凰白(みやけ・こうはく)、柴田晩葉(しばた・ばんよう)、斉内一秀(さいうち・いっしゅう)といった優れた画家たちが輩出し、大正から昭和期の京都画壇を彩りました。
本展示では春挙の代表作10点をはじめ、計19点の作品を展示いたしております。




現代美術部門の展示「立体とオブジェ」では、従来の彫刻の枠組みを越えて斬新な表現を生み出している、現代の立体造形作品21点を展示しています。
イサム・ノグチやマグダレーナ・アバカノヴィッチ、星野曉(ほしの・さとる)、福岡道雄(ふくおか・みちお)らによる、いかにも現代的な立体作品をはじめ、マルセル・デュシャンジョゼフ・コーネルロバート・ラウシェンバーグイヴ・クラインらによるオブジェ作品、ドナルド・ジャッド、ソル・ルウィットらミニマル・アート(最小限芸術)の立体作品や、ジョゼフ・コスース、若林奮(わかばやし・いさむ)、柳幸典(やなぎ・ゆきのり)らによるコンセプチュアル・アート(概念芸術)の作品など、現代の立体造形の多様な状況を示す21点の作品を展示しています。
なお滋賀県出身で環境をテーマにした抽象的な作品を作り続けている深田充夫(ふかだ・みつお)の、ピカピカに磨き上げた作品の表面に映る周囲の風景も作品の一部として機能する作品「オウ-5」(オウはさんずいへんに翁)は、今回の展示が初公開となります。
いずれも当館のコレクションのエッセンスを味わえる素敵な内容です。春の行楽シーズンに合わせて、ぜひご観覧ください。


常設展示『山元春挙と早苗会』4月1日(火)−5月18日(日)
     『立体とオブジェ』 4月1日(火)−6月29日(日)
観覧料(共通):一般500円(400円))、高大生 300円(240円)、小中生 無料 ( )内は20名以上の団体料金。
※常設展示観覧料が、本日(平成26(2014)年4月1日)より改定されました。
※企画展の観覧券で常設展も観覧できます。
※毎日、午後2時から美術館サポーターによるギャラリートークを行います。