春の美術館講座「アメリカ絵画のリアリティ」受講者募集のお知らせ

毎年春と秋の2回、美術の歴史や作品の見方、制作技法などについて、一般の方々を対象にわかりやすく解説する「美術館講座」。2014年春の講座は抽象美術を含むアメリカ現代絵画の流れを、20世紀の都市と自然に対してアメリカ人が感じていたリアリティの表現の歴史であると捉え直し、豊富な例を元にわかりやすく解説いたします。
第1講「社会を見つめる目─アシュカン(ごみ箱)派からシミュレーショニズムまで」では、摩天楼のきらめく大都市の光と影を、時に辛辣に、時に愛情を込めて描き続けたアメリカの『社会派的風景画』の流れを、20世紀初頭のアシュカン(ごみ箱)派からアメリカン・シーン派、1960年代のポップ・アート、やスーパー・リアリズム、90年代のシミュレーショニズムと時代を追って検証し、矛盾に満ちた20世紀アメリカの赤裸々な姿を探ります。
第2講「自然と人間の関係─ハドソン・リヴァー派からミニマル・アートまで」では、ヨーロッパの自然とは異なる雄大で過酷なアメリカの大自然と、畏敬の念を持ってそれに挑んだ開拓者の子孫たちとの関係を念頭に置きながら、風景画を神に至る手段として捉えた19世紀のハドソン・リヴァー派から、北方ロマン主義精神を背景にして「矮小な人間対大自然」という図式を描いた抽象表現主義、そして現代建築で言うランドスケープ(社会的文化的文脈で捉えられた風景のこと)という概念や、日本の禅の哲学の影響を受けながら「人間と環境」に関わる思索を展開したミニマル・アートとその周辺の作品を検証し、現代アメリカ人の自然観を探ってゆきます。

エドワード・ホッパー「夜更かしする人々」1942年

▲トーマス・コール「ナイヤガラ瀑布遠望」1830年


□■春の美術館講座「アメリカ絵画のリアリティ」■□
■開催日:2014年 6月15日(日)  午前10時半−−午後3時
■内 容:午前10時半〜12時  第1講『社会を見つめる目─アシュカン(ごみ箱)派からシミュレーショニズムまで』
     午後1時半〜3時  第2講『自然と人間の関係─ハドソン・リヴァー派からミニマル・アートまで』
■講 師:平田健生(当館主任学芸員
■受講料:無料
■会 場:滋賀県立近代美術館 2階ワークショップ・ルーム
■定 員:40名
■申し込み方法:
※郵便往復ハガキの場合
郵便往復ハガキに (1)郵便番号・住所、(2)氏名(ふりがなも)、(3)電話番号、を明記の上、下記までお申し込み下さい。電話による申し込みは受け付けませんので、ご注意下さい。
 宛先:〒520-2122 滋賀県大津市瀬田南大萱町1740−1
            滋賀県立近代美術館「美術館講座」係
※インターネットの場合
美術館ホームページの美術館講座受講申込みフォーム(こちら)をご利用下さい。携帯電話・スマートフォンから応募される際は、パソコンからのメールを受信拒否設定なさらないでください。なお一部携帯電話からの申込みはできません。
■受講決定通知:
受講決定者には締め切り終了後、折り返しその旨を通知いたします。なお、受講希望者が相当多数の場合、会場の都合などのため、やむを得ず抽選で受講者の決定を行うことがありますので、あらかじめご了承下さい。
■申込み締め切り:5月25日(日) 必着