夏休みの企画展「手塚治虫展」の開催について


今年の夏、滋賀県立近代美術館では「マンガの神様」の全貌を紹介する『手塚治虫展』を開催します。
「ストーリーマンガ」と呼ばれる新たなマンガ表現を確立し、アニメーターとしては国産初の本格的なテレビアニメシリーズを成功させた手塚治虫(1928-89)。「マンガの神様」と称され、生涯に手がけたマンガは原稿にして約15万枚、アニメーションは約70作品に及ぶと言われています。常に新しい表現に挑み続け、まさに日本のマンガ・アニメ界に金字塔を打ち立てた巨匠と言えるでしょう。その物語やキャラクターたちは、没後20年以上経た今もなお日本中、あるいは世界中の人々を魅了してやみません。代表作の1つである「鉄腕アトム」は、2013年にテレビ放送開始から50年を迎え、また2011年には晩年に10年以上を費やして描かれた大作「ブッダ」が映画化されました。
本展は、この手塚治虫の生涯と業績に多角的な視点から迫ろうとするもので、「鉄腕アトム」「ブッダ」「火の鳥」「ブラック・ジャック」「ジャングル大帝」「リボンの騎士」といった手塚の代表的なマンガ作品の直筆原稿や、生涯に手がけた膨大な数のマンガとアニメーションの中から厳選した原画・映像・資料、さらには生前の愛用の品など約170点を紹介します。『手塚治虫の誕生』『作家・手塚治虫』『手塚治虫のメッセージ』の3部構成で制作の手法とその効果を検証するとともに、作品と作者の言葉を通して手塚が未来へと託したメッセージを展覧します。また、展示室の一角には手塚治虫の仕事部屋を再現します。
現在も色あせることなく、ますます輝きを放つ手塚作品の数々。この夏は「手塚治虫の世界」を存分にご堪能ください。
なお会期中、ギャラリートークのほか講演会、アニメ上映会、子ども向けワークショップなどのイベントを開催いたします。
手塚治虫の「塚」の字は本来は旧字体ですが、このブログでは文字化けを防止するために新字体で標記しています。

鉄腕アトム (C)手塚プロダクション

ブラック・ジャック (C)手塚プロダクション

火の鳥 (C)手塚プロダクション

リボンの騎士 (C)手塚プロダクション


手塚治虫展』
■会期=平成26(2014)年 7月12日(土)─8月31日(日)
■休館日=毎週月曜日 ただし7月21日(月)は開館し、7月22日(火)が休館
■観覧料=一般1000円(800円)・高大生650円(500円)・小中生450円(350円)
      ※( )内は前売及び20名以上の団体料金


■展示予定作品=
◇マンガ直筆原稿:「ジャングル大帝」「鉄腕アトム」「リボンの騎士」「火の鳥」「ブラック・ジャック」「陽だまりの木」「アドルフに告ぐ」「ふしぎなメルモ」「どろろ」「海のトリトン」など
◇セル画:「ある街角の物語」「鉄腕アトム」「W・3(ワンダー・スリー)」「ジャングル大帝」「悟空の大冒険」「リボンの騎士」「どろろ」「千夜一夜物語」など
◇資料類:生前の愛用品(ベレー帽、鉛筆、ペン) など
計 約170点