今年の「夏休み子ども美術館」もいよいよ来週限り


毎年恒例の夏の常設展示「夏休み子ども美術館」、今年は「くふう☆ひらめき♡アイデアル」と題し、アーティストの創意工夫や、今までになかった斬新な表現などをテーマに開催しています。会期はいよいよ8月31日(日)まで。夏の思い出の最後に、ぜひご鑑賞ください。


展示中の全作品には、一作品ごとに必ず鑑賞の手引きキャプションが用意されており、今回の展示のイメージキャラであるアートの森の動物たちが、おしゃべりしながら作品鑑賞の手助けをしてくれます。作品をより深く鑑賞していただくためのクイズも用意しています。
会場入口では、書き込みながら作品を見て回ることでより一層展示が楽しめる「かきこむワークシート」を無料配布中。書き込む際に便利なように、希望者にはバインダーの貸出しも行なっています。

また展示室の出口にはプレイコーナーが用意されており、ここではこれまで見てきた作品がカードになって皆さんをお待ちしています。作品カードを使った数種類のアートゲームをぜひ遊んでみて下さい。楽しく遊びながら、作品がこれまでよりもずっと身近に感じられ、楽しめるようになることでしょう。

現代美術部門の展示室では、人間のからだを石膏で直接かたどって「人間のヌケガラ」を作ったジョージ・シーガルの作品に始まり、ドリルを使って描いた斎藤義重(さいとう・よししげ)、足で描いた白髪一雄(しらが・かずお)、醤油で描いた小沢剛(おざわ・つよし)らによるユニークな技法の作品や、文字とイメージを合体させた平林薫(ひらばやし・かおる)、失敗を逆手に取った作品を作ったラウシェンバーグ、蟻を使って作品を作った柳幸典(やなぎ・ゆきのり)、過去の風景と現代の風景を合成して不思議な光景を作った山口晃(やまぐち・あきら)らによる奇抜なアイディアの作品などを、ご堪能いただけます。


日本画・郷土美術部門の展示室では、前田直衛(まえだ・なおえ)や野口謙蔵(のぐち・けんぞう)の作品を通して作品の中に描かれた季節や時刻を読み取れる工夫を探したり、作品による桜の花の表現の違い、生き物の表現の違い、水の表現の違いなどを、山元春挙(やまもと・しゅんきょ)や前田青邨(まえだ・せいそん)らの作品を通して見てゆきます。また上村松園(うえむら・しょうえん)や下村観山(しもむら・かんざん)らの作品を通して人物表現の工夫を調べたり、岸竹堂(きし・ちくどう)や冨田溪仙(とみた・けいせん)らによる複数でセットになった作品の工夫を比較しながら見てゆくのも興味深いですよ。さらに池田遙邨(いけだ・ようそん)や茨木杉風(いばらき・さんぷう)らが用いた、昔から伝わる日本画独特のユニークな技法も見ていただきましょう。


■常設展示「夏休み子ども美術館:くふう☆ひらめき♡アイデアル 8月31日(日)まで
休館日:毎週月曜日
観覧料(共通):一般 500円(400円))、高大生 300円(240円)、小中生 無料 ( )内は20名以上の団体料金。
※企画展「手塚治虫展」の観覧券で常設展も観覧できます。
※毎日、午後2時から美術館サポーターによるギャラリートークを行います。