「遊亀と靫彦─師からのたまもの・受け継がれた美─」展、来月開催


滋賀県立近代美術館は来月10月11日(土)から11月24日(月)まで、開館30周年特別展安田靫彦生誕130年、小倉遊亀生誕120年 『遊亀と靫彦』―師からのたまもの・受け継がれた美―」を開催いたします。
明治28年(1895)滋賀県大津に生まれた小倉遊亀(おぐら・ゆき)は、奈良女子高等師範学校を卒業後、教鞭をとりながら画道を志し、大正9年(1920)安田靫彦(やすだ・ゆきひこ。1884〜1978)への入門を果たして、精進の結果日本を代表する日本画家へと成長を遂げました。
師靫彦と遊亀をつないだのは、女高師時代の二人の恩師、水木要太郎(みずき・ようたろう。1865〜1938)と横山常五郎(よこやま・つねごろう。1869〜1938)でした。とくに大和の生き字引といわれた日本史の水木要太郎は、奈良に国内留学していた靫彦に慕われた歴史研究者で、コレクターとしても著名です。一方、遊亀がこの上なく憧憬した「法隆寺金堂壁画」と同じ線を今引けるのは安田靫彦しかいない、と教えたのは、東京美術学校出身の横山でした。
本展では、遊亀と靫彦の作品と、水木がコレクションした旧蔵品、靫彦の愛蔵品や、3人の交友を伝える資料から、水木が二人の画人にもたらしたものを検証し、近代日本画発展の一断章をさぐります。また、小倉遊亀まぼろしの名作である《花 其二》を80年ぶりに、《挿花小女之図》を87年ぶりに、また当館の新収蔵品『盛られた花』を30年ぶりにご覧いただける貴重な展覧会です。

小倉遊亀《径(こみち)》 昭和41年(1966)
 板地(ホモゲンホルツ)著色 1面 166.9cm×211.9cm 東京藝術大学

安田靫彦《飛鳥の春の額田王》 昭和39年(1964)
 紙本著色 1面 131.1cm×80.2cm 滋賀県立近代美術館

安田靫彦《夢殿》 大正元年(1912) 絹本着色 1幅 113.6cm×224.5cm
 東京国立博物館蔵 Image: TNM Image Archives 展示期間:2014年10月11日(土)―10月26日(日)


企画展示『遊亀と靫彦─師からのたまもの・受け継がれた美─』

■会期=平成26(2014)年 10月11日(土)─11月24日(月)
■開館時間=9時30分─17時(入館は16時30分まで) 
■休館日=月曜日(10月13日(月)、11月3日(月)、24日(月)は開館、10月14日(火)、11月4日(火)が休館)
■観覧料=一般 1100円(900円)、高大生 800円(600円)、小中生 600円(400円)
     ※( )内は、前売および20名以上の団体料金
◆毎日、午後1時から美術館サポーターによる解説を行います。