常設展「滋賀の工芸─志村ふくみと森口華弘を中心に─」が始まりました

日本画・郷土美術部門の晩秋の常設展示「滋賀の工芸─志村ふくみと森口華弘を中心に─」が、本日10月28日(火)から始まりました(12月21日(日)まで)。紬織着物の志村ふくみ(近江八幡市出身)と京友禅森口華弘(もりぐち・かこう。守山市出身)を中心に、滋賀県ゆかりの工芸作家を紹介する展示です。なお、展示室2(現代美術部門)の「抽象の黄金時代」は12月21日(日)までそのまま継続展示いたしております。


工芸作品には「用と美」あるいは「機能と装飾」という、一見、矛盾するような二つの要素が作品に要求されます。工芸品には“手になじむ使いよさ・見た目に美しい・丈夫で長持ち”という、生活の「道具」としての“使い勝手の良さ、丈夫さ”という要件が求められると同時に、芸術的な感覚による“姿形、色合い、デザイン”などの要素が重要になってきます。
本展示では「用と美」という言葉に代表される工芸の魅力を、37点の作品(やきもの展示コーナーを含む)を通してご紹介いたします。志村ふくみ、森口華弘以外には、型絵染の伊砂利彦(いさ・としひこ)、鉄釉陶器の人間国宝・清水卯一(しみず・ういち)、信楽焼の三代高橋楽斎(たかはし・らくさい)と五代上田直方(うえだ・なおかた)、京焼の伝統を受け継ぐ宮下善寿(みやした・ぜんじゅ)と安田全宏(やすだ・ぜんこう)、竹工芸の杉田静山(すぎた・じょうざん)の作品を展示しています。

▲志村ふくみ「篝火」 平成15(2003)年

森口華弘「双華」 昭和58(1983)年

なお併設の小倉遊亀コーナーも示替えが行われました。展示作品は「受洗を謳う」「胡瓜」「少将滋幹の母 挿画」「蕪」「アネモネ」「百日草」「花と古陶」「観世音菩薩」「少女」「聴く」「或る御神像」「芥子」「花と果物」「盛花」の、計14点です。


■常設展示「滋賀の工芸─志村ふくみと森口華弘を中心に─」 10月28日(火)─12月21日(日)
     「抽象の黄金時代」 9月2日(火)─12月21日(日)
休館日:毎週月曜日(月曜が祝日・振替休日の場合は開館し、翌日休館)
観覧料(共通):一般 500円(400円))、高大生 300円(240円)、小中生 無料 ( )内は20名以上の団体料金。
※企画展の観覧券で常設展も観覧できます。
※毎日、午後2時から美術館サポーターによるギャラリートークを行います。