10日から常設展示「新収蔵品を中心に」が始まります

常設展示室1(日本画・郷土美術部門)の現在の展示「滋賀の洋画」は今週末3月8日(日)で終了いたします。代わって3月10日(火)からは、平成25年度の新しい収蔵品の一部を紹介する新しい展示「新収蔵品を中心に」が始まります(5月6日(水)まで)。
今回中心となるのは、江戸時代中期に活躍した近江国日野出身の絵師・高田敬輔(たかだ・けいほ)に連なる画人たちの系譜です。まずは高田敬輔に師事した日野出身の島崎雲圃(しまざき・うんぽ)の「狩野家真画彩色花鳥」。続いてその雲圃の弟子であった下野国(現在の栃木県)出身の小泉斐(こいずみ・あやる)の「象図・書簡」。さらに小泉斐に師事した、雲圃の遠縁にあたる島崎玉淵(しまざき・ぎょくえん)の「五星及廿八宿神形図」「琵琶湖眺望図」など。既に当館が所蔵している高田敬輔や島崎雲圃の作品と合わせて、江戸時代の画人たちのネットワークがよくわかるコレクションが生まれました。
この他にも、蒲生町(現東近江市)出身の洋画家・野口謙蔵の従姉妹で彼に日本画を教授した野口小ケイ(のぐち・しょうけい。ケイは草かんむりに惠)の「萬年報喜」や、近江八幡市出身の水墨画家・茨木杉風(いばらぎ・さんぷう)の「林屋図」、野洲市在住の竹工芸作家・杉田静山(すぎた・じょうざん)の花籠ほかを展示いたします。

▲織田ヒツヒツ(ヒツは王を二つ並べた下に必)「桜図」(「書画帖」より)
なお併設の小倉遊亀コーナーにおいても、新収蔵品の「あざみ」(昭和56年頃)をはじめとする作品を新たに展示替えでご覧いただけます。展示作品は、「磨針峠」「少将滋幹の母 挿絵」「蕪」「葡萄」「芥子」「あざみ」(新収蔵品)、「憩う」「画人像」「兄妹」「青巒」「うす霜」「花菖蒲」「盛花」の、計13点です。


常設展示「新収蔵品を中心に」 3月10日(火) − 5月6日(水)
     「反芸術の世紀」 1月24日(火)─3月29日(日)
休館日:毎週月曜日(月曜が祝日・振替休日の場合は開館し、翌日休館)
観覧料(共通):一般 500円(400円))、高大生 300円(240円)、小中生 無料 ( )内は20名以上の団体料金。
※企画展の観覧券で常設展も観覧できます。
※毎日、午後2時から美術館サポーターによるギャラリートークを行います。