常設展「滋賀の洋画」をご紹介します

今週10月27日(火)から始まった、日本画・郷土美術部門の新しい常設展示『滋賀の洋画』は、日本的洋画の開拓者のひとり野口謙蔵(のぐち・けんぞう)と、大津市出身で関西洋画壇の重鎮であった黒田重太郎(くろだ・じゅうたろう)の作品を中心に、滋賀県ゆかりの洋画(油絵)作家たちの作品を厳選して展示しています(12月13日(日)まで)



野口謙蔵は、東京美術学校卒業後、郷里の蒲生町(現・東近江市)に籠ってひたすら郷土の自然と人々の暮らしを、愛情込めて描き続けた画家です。その作風は油絵でありながら、日本画、特に南画(文人画)を思わせる自由奔放で軽妙な味わいがあり、「油絵で描いた日本画」と評される独特の世界となっています。滋賀を代表するもうひとりの巨匠・黒田重太郎は滋賀県大津市で大阪の豪商の家系に生まれ、小出楢重(こいで・ならしげ)や鍋井克之(なべい・かつゆき)らと信濃橋洋画研究所を設立したり、戦後の二紀会の結成に加わるなど、昭和の関西洋画壇を支えた重鎮画家のひとりです。
本展では二人の他に、鹿子木孟郎(かのこぎ・たけしろう)、和田英作(わだ・えいさく)、島戸繁(しまと・しげる)、田村一男(たむら・かずお)、三田康(さんた・やすし)、秋口保波(あきぐち・やすなみ)、伊庭伝次郎(いば・でんじろう)、島野重之(しまの・しげゆき)の作品、計22点を展示しています。
なお併設の小倉遊亀(おぐら・ゆき)コーナーも、本展示に合わせて展示替えが行われています。展示作品は「母と子」「少将滋幹の母 挿画」「窓辺」「百日草」「紅梅白壺」「兄妹」「姉妹」「聴」「青巒」「菩薩」「芥子」「厨のもの(一)(二)(三) 」「白桃」の14点です。


常設展示「滋賀の洋画」 10月27日(火)─12月13日(日)
     「戦後から現代へ」 9月1日(火)─12月13日(日)
休館日:毎週月曜日(月曜が祝日・振替休日の場合は開館し、翌日休館)
観覧料(共通):一般 500円(400円))、高大生 300円(240円)、小中生 無料 ( )内は20名以上の団体料金。
※企画展の観覧券で常設展も観覧できます。
※毎日、午後2時から美術館サポーターによるギャラリートークを行います。