「ビアズリーと日本」展、会期は残り一週間!


好評開催中の企画展「ビアズリーと日本」の会期は、いよいよあと一週間。3月27日(日)までとなります。まだご覧になっておられない方はお急ぎください。
1890年代、彗星のように画壇に登場し、イラスト界に旋風を巻き起こした夭折の天才画家オーブリー・ビアズリー(1872-98)。そのビアズリーのイラストで飾られたオスカー・ワイルドの戯曲『サロメ』英訳版が1894年に世に出るや、一躍、19世紀末のイギリスに「ビアズリー時代」と呼ばれる熱狂を巻き起こしました。ビアズリーの影響は、欧米の美術の動向に熱いまなざしを注いでいた大正期の日本にも伝わります。多くの芸術家や文学者がビアズリーの虜になりますが、なかでも本を活躍の場とする版画家や挿絵画家、グラフィックデザイナーへの影響は絶大でした。一方、ビアズリー自身もヨーロッパを席巻したジャポニスムの洗礼を受け、初期の作品には日本美術、特に浮世絵にヒントを得た構図や描法を見ることができます。
本展では19世紀末から20世紀にかけて、ビアズリーを軸に展開した日英のアートの相愛関係を、およそ270点のイラスト、版画、装幀本でご紹介しています。わずか6年に満たない歳月を駆け抜け、常に高い完成度の独創的な仕事を遺した奇才ビアズリー。現代イラストの原点とも言えるその傑作の数々と、妖しい魔力に満ちたビアズリーの白黒の世界から養分を吸い取り、独自の花を咲かせた日英のアーティストたちの個性あふれる作品をお楽しみください。

▲オーブリー・ビアズリー《クライマックス》
『ビアズリーによるオスカー・ワイルド著「サロメ」の挿画のためのドローイング集』より
 個人蔵

▲オーブリー・ビアズリー《いかにトリストラム卿は愛の媚薬を飲んだか》
 サー・トマス・マロリー著『アーサー王の死』第1巻より
 京都女子大学図書館蔵

▲矢部季(やべ・すえ)三須裕著『新しい束髪の結ひ方』表紙
 『資生堂図案集』より
 資生堂企業資料館


企画展示ビアズリーと日本』
■会期=平成28(2016)年 3月27日(日)まで
■休館日=毎週月曜日(ただし3月21日(月・祝)は開館、翌3月22日(火)が休館)
■観覧料=一般 1000円(800円)/高大生650円(500円)/小中生450円(350円)
      *( )内は前売および20名以上の団体料金
■出品作品=
イギリス:オーブリー・ビアズリー、ウォルター・クレイン、ハリー・クラーク、シドニー・H・サイム、チャールズ・リケッツ、アラスターなど
日 本:(版画)長谷川潔、永瀬義郎ほか (素描)恩地孝四郎、田中恭吉、橘小夢ほか(挿絵)蕗谷虹児高畠華宵水島爾保布武井武雄竹中英太郎ほか (雑誌の挿画・装幀)山六郎、山名文夫 (商業美術)資生堂デザインなど