3月29日(火)から新しい常設展示が始まります

明日3月29日(火)から、日本画・郷土美術部門、現代美術部門ともに、新しい常設展示が始まります。


■滋賀の工芸 3月29日(火) − 5月15日(日)
日本画・郷土美術部門の展示室では『滋賀の工芸』と題し、滋賀県ゆかりの染織・陶芸などの工芸作品を一堂に集めて展示いたします。
中心となっているのは、昨年文化勲章を受章されたばかりの、滋賀県近江八幡市出身の「紬織着物」の人間国宝、志村(しむら)ふくみの作品です。暖かい感触の紬織に、自ら山野にわけ入って採取した植物から摂った自然の色彩が溶け込んで、情感豊かでかつモダンな造形感覚に溢れた着物を作り上げています。
志村ふくみの他にも、綿密な自然観察眼と大胆な造形センスが生かされた華麗な友禅着物を数多く生み出した守山市出身の人間国宝森口華弘(もりぐち・かこう)や、京都から滋賀県西部・蓬莱山麓に移り住み、そこで採れた鉄分の多い土を用いた多彩な鉄釉陶器の数々で人間国宝の認定を受けた清水卯一(しみず・ういち)らの作品を多数展示いたします。他にも、滋賀県を代表する「信楽焼」の代表作家である三代高橋楽斎(たかはし・らくさい)や五代上田直方(うえだ・なおかた)らの作品など、滋賀県ゆかりの様々な工芸作品をご覧いただけます。
古都・京都に近いこともあって古くから工芸が盛んであった近江の地。その地に受け継がれた工芸の伝統を、この機会にぜひご覧下さい。
※会期中、染織作品は展示替えを行います。前期展示:3/29(火)〜4/24(日) 後期展示:4/26(火)〜5/15(日)


▲志村ふくみ「夕虹」 昭和39(1964)年(前期展示)



■色と形のリズム 3月29日(火) − 6月26日(日)
現代美術部門は「色と形のリズム」と題して、抽象絵画・立体作品ばかりを集めた展示を開催いたします。
抽象絵画の父と呼ばれるワシリー・カンディンスキーの版画作品「小さな世界」(12点組)に始まり、戦後アメリカ抽象表現主義を代表作家であるマーク・ロスコの「ナンバー28」や、モーリス・ルイス「ダレット・ペー」、ケネス・ノーランド「カドミウム・レイディアンス」など。アメリカ西海岸の抽象を代表するサム・フランシス「サーキュラー・ブルー」やマーク・トビー「Changing of the Square」。そして60年代末のミニマル・アート(最小限芸術)を代表するフランク・ステラの「イスファハーン」といった、当館を代表する絵画作品が一堂に展示されます。またドナルド・ジャッド「無題」、ソル・ルウィット「ストラクチャー」、カール・アンドレ「Zinc-Zinc Plain」といったミニマル・アートの立体作品も展示室に勢揃いいたします。
アメリカ現代美術のコレクションで定評の有る当館の収蔵品の中の、目玉中の目玉作品が揃うまたとない機会です。ぜひご覧ください。


▲ケネス・ノーランド「カドミウム・レイディアンス」 1963年


常設展示「滋賀の工芸」 3月29日(火)─5月15日(日)
     「色と形のリズム」 3月29日(火)─6月26日(日)
休館日:毎週月曜日(月曜が祝日・振替休日の場合は開館し、翌日休館)
観覧料(共通):一般 500円(400円))、高大生 300円(240円)、小中生 無料 ( )内は20名以上の団体料金。
※企画展の観覧券で常設展も観覧できます。
※毎日、午後2時から美術館サポーターによるギャラリートークを行います。