常設展「近江と京都画壇」が始まりました

本日5月17日から、日本画・郷土美術部門の常設展示が『近江と京都画壇』に変わりました(6月26日(日)まで)。


この展示は江戸中期から昭和初期の京都で活躍した「京都画壇」の日本画と、その中で近江出身の画人たちが果たした役割について紹介するものです。特に明治初頭に近代日本画の基礎を築いた滋賀県彦根出身の画家・岸竹堂(きし・ちくどう)と、竹内栖鳳(たけうち・せいほう)とともに明治から昭和初期の京都画壇の重鎮として活躍した山元春挙(やまもと・しゅんきょ)の二人を中心に、江戸末期に活躍した塩川文麟(しおかわ・ぶんりん)や中島来章(なかじま・らいしょう)、竹堂の師の岸連山(きし・れんざん)、春挙の師であった森寛斎(もり・かんさい)と野村文挙(のむら・ぶんきょ)に、春挙の弟子である疋田春湖(ひきた・しゅんこ)らの作品を取り混ぜ、多彩な作品を通して近代京都画壇の歴史を検証いたします。彼らは円山四条派に代表される京都画壇の伝統を踏まえつつ、西洋画の「写実」の精神を巧みに取り入れて、明治という新しい時代にふさわしい近代の日本画を確立させていったのです。

▲岸竹堂「虎図」 明治24(1891)年

山元春挙「初夏白糸之滝図」

なお併設の小倉遊亀コーナーの作品も、併せて展示替えとなっています。展示作品は、「受洗を謳う」「少将滋幹の母挿画」「ゼラニウム」「百日草」「花屑」「佳器」「夏の客」「娘」「兄妹」「菩薩」「花菖蒲 」「古陶と青柿・黒い台の白桃・古九谷とマンゴウ」「紅白紫黄」の、計13点です。


常設展示「近江と京都画壇」 5月17日(火)─6月26日(日)
     「色と形のリズム」 3月29日(火)─6月26日(日)
休館日:毎週月曜日(月曜が祝日・振替休日の場合は開館し、翌日休館)
観覧料(共通):一般 500円(400円))、高大生 300円(240円)、小中生 無料 ( )内は20名以上の団体料金。
※企画展の観覧券で常設展も観覧できます。
※毎日、午後2時から美術館サポーターによるギャラリートークを行います。