初夏の常設展示も今週限り!

「時と風景─未来をつなぐコレクション」展と同じく、現在開催中の初夏の常設展示「近江と京都画壇」「色と形のリズム」は今週末、6月26日(日)で終了いたします。まだの方はぜひご覧いただきますよう、お願いいたします。

日本画・郷土美術部門の展示「近江と京都画壇」は江戸中期から昭和初期の京都で活躍した「京都画壇」の日本画と、その中で近江出身の画人たちが果たした役割について紹介するものです。特に明治初頭に近代日本画の基礎を築いた滋賀県彦根出身の画家・岸竹堂(きし・ちくどう)と、竹内栖鳳(たけうち・せいほう)とともに明治から昭和初期の京都画壇の重鎮として活躍した山元春挙(やまもと・しゅんきょ)の二人を中心に、江戸末期に活躍した塩川文麟(しおかわ・ぶんりん)や中島来章(なかじま・らいしょう)、竹堂の師の岸連山(きし・れんざん)、春挙の師であった森寛斎(もり・かんさい)と野村文挙(のむら・ぶんきょ)に、春挙の弟子である疋田春湖(ひきた・しゅんこ)らの作品を取り混ぜ、多彩な作品を通して近代京都画壇の歴史を検証します。彼らは円山四条派に代表される京都画壇の伝統を踏まえつつ、西洋画の「写実」の精神を巧みに取り入れて、明治という新しい時代にふさわしい近代の日本画を確立させていったのです。

現代美術部門の展示「色と形のリズム」は、当美術館が所蔵する抽象絵画・立体作品ばかりを集めた展示です。
抽象絵画の父と呼ばれるワシリー・カンディンスキーの版画作品「小さな世界」(12点組)に始まり、戦後アメリカ抽象表現主義を代表作家であるマーク・ロスコの「ナンバー28」や、モーリス・ルイス「ダレット・ペー」、ケネス・ノーランド「カドミウム・レイディアンス」など。アメリカ西海岸の抽象を代表するサム・フランシス「サーキュラー・ブルー」やマーク・トビー「Changing of the Square」。そして60年代末のミニマル・アート(最小限芸術)を代表するフランク・ステラの「イスファハーン」といった、当館を代表する絵画作品を一堂に展示しています。またドナルド・ジャッド「無題」、ソル・ルウィット「ストラクチャー」、カール・アンドレ「Zinc-Zinc Plain」といったミニマル・アートの立体作品も展示室に勢揃いしています。

なお週が明けた6月28日(火)からは、夏休み子ども美術館「ヒトツがならんでイッパイふえて」を開催いたします。こちらもご期待ください。


常設展示「近江と京都画壇」 5月17日(火)─6月26日(日)
     「色と形のリズム」 3月29日(火)─6月26日(日)
休館日:毎週月曜日(月曜が祝日・振替休日の場合は開館し、翌日休館)
観覧料(共通):一般 500円(400円))、高大生 300円(240円)、小中生 無料 ( )内は20名以上の団体料金。
※企画展の観覧券で常設展も観覧できます。
※毎日、午後2時から美術館サポーターによるギャラリートークを行います。