ドゥシャン・カーライの魅力 その2

4月24日(土)からいよいよ展覧会が始まるドゥシャン・カーライ。彼の作品の魅力を、もっと違う角度から探ってゆきましょう。


カーライは東欧スロヴァキアの作家ですが、カーライが手掛けた絵本の中には、日本人にもよく知られた名作童話を原作とするものが、数多く含まれています。例えばBIB(ブラチスラヴァ世界絵本原画展)でグランプリを受賞した彼の初期の代表作「不思議の国のアリス」(写真)は、原作の持つイギリス的なユーモア感覚と、カーライが持つ東欧的で哀愁を帯びた幻想性が溶け合って、忘れることのできない独特の世界を生み出しています。

またカーライは近年、夫人のカミラ・シュタンツロヴァーとともに4年の歳月を費やして、アンデルセン童話156作のすべてに挿絵をつけるという偉業を成し遂げました。今回の展覧会でもその一部をご覧いただくことができます。

誰もが知っている懐かしい物語が、カーライの手でどのように料理されているのか、よく確かめながら鑑賞していただければ、一層楽しみが増すと思いますよ。

(写真:ドゥシャン・カーライ『不思議の国のアリス』絵本原画 1981年 (C) Dušan Kállay)