アートゲームについて その6

《いつでも・どこでも・誰でも》実施できるユニークなワークショップ「アートゲーム」を紹介するシリーズの第6回です。今回紹介するゲームは『ジャンケンゲーム』。

ルールはかんたん。作品カードの中からあらかじめ、登場人物の手が「グ」か「チョキ」か「パー」に見えるものだけを選んでひとつにまとめておき、それを2人のプレイヤーに半数ずつ渡して、カードを使ってジャンケンしてもらうだけの他愛ないゲームです。

他愛ないといっても、美術鑑賞への導入編としての効果は絶大。当館でもアートゲームを実施する時は必ずこの「ジャンケンゲーム」から始めて、美術鑑賞だからと構えている参加者の肩の力を抜いてもらい、楽しく作品に触れるきっかけ作りに活用しています。

けれどもジャンケンゲームにはひとつ、大きな弱点があります。それは「チョキをしている図版がとても少ないこと」。そこで途中からは手ではなく、口を使ったジャンケンに切り替えましょう。

登場人物の口が大きく開いていたら「パー」。固く閉じていたら「グー」。そして、口を横に開いて歯をむき出しにしていたら「チョキ」です。これならば当てはまる図版がいっぱいある上に、人物の表情に着目する習慣を付けるのにも役立ちますね。