いよいよ19日から「白洲正子 神と仏、自然への祈り」展が始まります


お待たせしました。芸術の秋にふさわしい当館の秋の企画展第2弾として、いよいよ10月19日(火)から、「生誕100年特別展 白洲正子 神と仏、自然への祈り」が始まります。ここで少し展覧会の予告をさせていただきます。

今年2010年は、随筆家・白洲正子の生誕100年で13回忌にあたります。これを記念して、随筆家・白洲正子が執筆した随筆の中で触れている神・仏像や絵画の名作を中心に展示し、季節感あふれる映像を交えて美意識あふれる彼女の世界を紹介するのが、本展覧会です。

白洲正子(1910−98)は明治43年に樺山伯爵家の次女として生まれ、幼少より英才教育を受けて、能をはじめとする伝統文化に興味を持ちました。昭和4(1929)年に白洲次郎と結婚、後に評論家の青山二郎小林秀雄と交友を持ち、古美術や骨董の世界に開眼しました。

特に、各地の寺社を訪れて、日本の伝統的な美意識と神観念、仏教との関係などを探求し、『かくれ里』や『近江山河抄』などの紀行文を中心としたもの、『十一面観音巡礼』や『西国巡礼』など紀行文とともに各地の仏像などを関連づけて述べた著作などを残し、高い評価を受けるとともに、今もその生き方に憧憬の眼差しを向ける人々が多いことで知られています。

今回の展覧会では、白洲正子の著作のなかで紹介された、国宝や重要文化財を含む、仏教美術や絵画などの作品を中心に、彼女が探求した神仏観と美意識など、美しいものを愛おしむ世界観を再検証いたします。

代表的な展示作品としては、重要文化財「木造毘沙門天立像」(滋賀県栗東市・金勝寺蔵。上の図版)や、県指定文化財「木造十所権現像のうち日吉大宮像」(滋賀県長浜市鶏足寺蔵。下の図版)などがあります。

また10月31日(日)には、随筆家・白洲信哉氏による講演会「白洲正子 神と仏、自然への祈り」も予定されています。展覧会に関する詳細は追ってお伝えしてゆきますので、どうかご期待下さい。

「生誕100年特別展 白洲正子 神と仏、自然への祈り」
会期:10月19日(火)−11月21日(日) 月曜日休館
観覧料:一般 950円(750円))、高大生 650円(500円)、小中生 450円(350円)
    ( )内は前売および20名以上の団体料金。
企画展の観覧券で常設展「横山大観と仲間たち」(11月2日からは「琵琶湖逍遥」に展示替え)および「赤と黒」も観覧できます。