次回企画展「ハービー・山口写真展 HIKARICAL SCAPE 雲の上はいつも青空」予告


冬期休館明けの2月2日(土)から始まる冬の企画展示は、国内外のミュージシャンを捉えた人物写真や風景写真で幅広い人気を持つ写真家、ハービー・山口が撮影した作品約150点による大規模な個展です。
ハービー・山口は、1950年、東京都に生まれ、大学卒業後、1973年より約10年間をロンドンで過ごしました。そこで撮影したミュージック・シーンを中心とする生きたロンドンの写真が高く評価され、写真集『LONDON』(1985年、流行通信社)の出版によって、写真家としての名声を確固たるものとします。帰国後も日本とヨーロッパを往復し、山崎まさよし福山雅治等、国内のミュージシャンとコラボレーションをする一方、常に市井の人々にカメラを向け、「希望」をテーマに撮影を続けています。その優しく清楚な作品を好むファンは多く、2011年度、日本写真協会賞作家賞を受賞。エッセイ執筆、作詞、ラジオやテレビのパーソナリティなど、多彩な活動でも人気を得ており、現在も精力的に活躍している写真家です。
本展は2部構成になっており、第1部「JAPAN」では、東日本大震災後に被災地を訪れて撮影した『HOPE 311』シリーズをはじめ、1970年代、戦後の転換期における日本の日常を捉えた初期作品『1970年、二十歳の憧憬』シリーズや、1996年に解体される直前の同潤会代官山アパートに集う人々を撮影した『代官山17番地』シリーズなど、どんな時代にあっても希望を持って生きる日本人の姿と表情を捉えた作品を展示します。第2部「EUROPE」では、パンクとニューウェイブ・ムーブメントのまっただ中にあったロンドンの若者たちを写した初期の代表作『LONDON』シリーズをはじめ、1989年ベルリンの壁崩壊直後の東欧で撮影した『1989年、東欧、真冬に咲いた花』シリーズなど多彩な作品を展示し、人と社会への温かい眼差しが感じられるその作品世界を紹介します。
何気ない日常のなかにある人々や街の姿を、優しいトーンのモノクロームで残した写真作品の数々から、現在人々が求めている、希望とともに未来へ向かうポジティブなイメージ[HIKARI]に満ちた空間を作り上げる展覧会です。


企画展示ハービー・山口写真展 HIKARICAL SCAPE 雲の上はいつも青空』

■会期=平成25(2013)年 2月2日(土)─3月31日(日)
■休館日=毎週月曜日(ただし2月11日(月・祝)は開館、2月12日(火)は休館)
■観覧料=一般950円(750円)・高大生650円(500円)・小中生450円(350円)
      ※( )内は前売及び20名以上の団体料金
■展覧会の構成
第1部「JAPAN」
 『1970年、二十歳の憧憬』シリーズ (撮影:1969年〜1973年)
 『HOPE』シリーズ (撮影:1983〜2008年)
 『HOPE 311』シリーズ(撮影:2011〜2012年)
 『代官山17番地』シリーズ(撮影:1996〜1997年)
第2部「EUROPE」
 『LONDON』シリーズ(撮影:1973〜1988年)
 『1989年、東欧、真冬に咲いた花』シリーズ(撮影:1985〜1990年)
 『TIMELESS IN LUXEMBOURG』シリーズ(撮影:1999年)
※上記シリーズは、写真集が出版されていますが、展示には、写真集未収載作品を含みます。



▲Joe with a Roll up / 1980  ©2012ハービー・山口
イギリスのパンク・ロックバンド“ザ・クラッシュ”のボーカル、ジョー・ストラマーJoe Strummer, 1952-2002)の煙草を吸う仕草が印象的な作品。写真集『LONDON CHASHING THE DREAM』の表紙にもなった代表作。

▲Galaxy / 1981 (『LONDON』シリーズより)©2012ハービー・山口
ロンドンのブティック、PXの店員キム。クラブに出かける直前、手鏡をのぞく真剣な表情には、舞台に立つ前の女優のような緊張感が漂う。写真集『LONDON CHASHING THE DREAM』に収載。

▲俺たち絶対負けないぜ! / 2011(『HOPE311』シリーズより)©2012ハービー・山口
東日本大震災の被災地で撮影された写真集『HOPE 311陽、また昇る』に収載。津波で絡まった漁網の廃棄作業をする漁師達。若い漁師のTシャツには、パンクのヒーロー、ジョニー・ロットンの顔が描かれていた。


■関連の催し=
ハービー・山口氏によるオープニング・ギャラリートーク
 展覧会場において、ハービー・山口氏本人が作品解説をおこないます。
 日時=2月2日(土) 11:00−/15:00−
 会場=当館企画展示室
 参加費=無料(但し、参加には観覧券が必要です)
 ※申込不要


ハービー・山口講演会「人間を撮る〜ロンドン、東京、3.11〜」
 日時=2月16日(土)  14:00−(13:30開場)
 会場=当館講堂
 参加費=無料(要観覧券)
 定員=150名
 ※申込不要。ただし、当日12:00より整理券を先着順に発行します。


入日茜ライブコンサート「写真と音楽が紡ぐ世界」
ハービー・山口写真作品のスライド映像をバックに、シンガーソングライター、入日茜ライブコンサートを行います。スペシャルゲストにハービー・山口氏を迎え、入日茜氏とのトークも行います。
 日 時=2月17日(日) 14:00−(13:30開場)
 会 場=当館講堂
 参加費=無料(要観覧券)
 定 員=150名
 ※申込不要。ただし、当日12:00より整理券を先着順に発行します。