企画展「装いとしつらえの四季」いよいよ今週限り!

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長らくお楽しみいただきました企画展示『装いとしつらえの四季─志村ふくみの染織と日本画・工芸名品選─』の会期は、いよいよ今週末、6月30日(日)限りです。まだご覧になっていない方はお急ぎ下さい。
私たち日本人は、いにしえより、めぐりゆく四季の美しさを愛で、その美を暮らしの中に取り入れてきました。春の桜、夏の海、秋の紅葉、冬の雪景色など、遠く万葉集が編まれた時代から、日本には、四季の美しさを目で観て楽しむだけでなく、和歌に詠んで他者と分かち合い、また、「装い」や「しつらえ」のなかに取り入れて、心の潤いとしてきた長い歴史があります。
本展『装いとしつらえの四季―志村ふくみの染織と日本画・工芸名品選―』では、こうした「四季の美」をテーマに、「装い」のために作られた着物や帯、「しつらえ」のために作られた陶器、竹工芸、掛軸、屏風といった作品を、当館コレクションから選りすぐり、「春」「夏」「秋」「冬」の四つの章に分けて展示しています。

▲【春の章】

▲【夏の章】

▲【秋の章】

▲【冬の章】

▲【特集展示:志村ふくみ】
展示のメインとなっているのは滋賀県近江八幡市出身の人間国宝作家・志村ふくみの華麗な紬織着物の数々です。これらを中心に、壮大な自然の風景を描く山元春挙、岸竹堂など、近代日本絵画の巨匠たちの手による掛軸や屏風、清水卯一の革新的な陶芸作品、杉田静山のモダンな竹工芸などを一堂に展示しています。「装い」と「しつらえ」のなかに現れる四季をめぐりながら、「近代」と「現代」、「絵画」と「工芸」という枠組みを超えて響き合う、巨匠たちの美の共演を、お楽しみいただきたいと思います。


企画展示『装いとしつらえの四季─志村ふくみの染織と日本画・工芸名品選─』
■会期=平成25(2013)年 6月30日(日)まで
■開館時間=9時30分─17時(入館は16時30分まで) 
■観覧料=一般750円(550円)・高大生500円(400円)・小中生300円(250円)
     ※( )内は、前売および20名以上の団体料金
■展示構成=
○春の章:桜と新緑をテーマに、志村ふくみの紬織着物「紅襲(べにかさね)(桜かさね)」「匂蘭(こうらん)」をはじめ、池上秀畝の「山桜図」や、萌黄色の釉薬が美しい清水卯一の陶器等を展示。
○夏の章:夏の涼やかな水辺をテーマに、志村ふくみの爽やかな絣(かすり)紋着物「越前絣」をはじめ、疋田春湖の「瀞峡之図」、杉田静山の繊細優美な竹工芸や清水卯一の青瓷(せいじ)等を展示。
○秋の章:紅葉をテーマに、鮮やかな色彩の志村ふくみ作「塔(華)」や「猩猩(しょうじょう)」をはじめ、名品として名高い菱田春草作「落葉」や高橋楽斎による信楽焼等を展示。
○冬の章:雪景と初春をテーマに、志村ふくみの「雪の戸」をはじめ、近代絵画の巨匠、山元春挙の絶筆で知られる「梅図」や、白い釉薬を使った清水卯一の陶器等を展示。
○特集展示・志村ふくみ:小さな方形の裂(きれ)を集めた「裂の筥(はこ)」や「裂帖」、様々な色に染め上げられた絹糸など、作品制作に関連する資料を展示。