「魅力再発見!”秘蔵”コレクションとの遭遇」展が始まりました


いよいよ本日から、新しい企画展示魅力再発見!”秘蔵”コレクションとの遭遇」が始まりました。
この展覧会は、滋賀県立近代美術館の収蔵作品の中から、一作家あたり十数点を数えるまとまった規模のコレクションに焦点を当て、厳選した8名の作家に1人1室ずつスペースを割り当てて、その作家を理解するために充分な点数の作品を展示するという、ユニークな「館蔵名品展」です。いわば、《院展を中心とした近代日本画》《郷土滋賀県ゆかりの美術》《現代美術》の3つの収集方針を、これまでにない方向から照射する、個性的な8つのミニ企画展の集合体です。本展を通してあなたもぜひ、当館の収蔵品の新たな魅力を発見してください。



(1)『湖北の画家・沢宏靱 ─悠久の自然のドラマ─』・・・滋賀県長浜市出身で創造美術(現・創画会)の創立会員でもある沢宏靱(さわ・こうじん。1905-82)は、戦後、単純化した構図の雄渾な画面に大自然のドラマをダイナミックに描き上げました。代表作15点を展示します。

(2)『黒田重太郎─日本の洋画・土の薫り』・・・大津市に生まれ、昭和期の関西洋画壇の重鎮として画業に、そして後進の育成に活躍した黒田重太郎(くろだ・じゅうたろう。1887-1970)。日本の光、日本の風土に根ざした真に日本的な洋画を目指した彼の画業を、作品14点で回顧します。

(3)『竹工芸・杉田静山 ─自然のリズムを編む─』・・・自然の律動を呼吸するように、竹で軽やかに編み上げる滋賀県野洲市在住の竹工芸作家・杉田静山(すぎた・じょうざん。1932- )。日展や日本伝統工芸展の出品作を含む、25点の代表作でその芸術世界をご堪能いただきます。

(4)『自在奔放!冨田溪仙の世界』・・・大正から昭和初期の院展で活躍した日本画家・冨田溪仙(とみた・けいせん。1879-1936)は、南画(文人画)や禅画をベースとしたデフォルメの効いた奔放な画風で知られています。作品19点を通してその洒脱でユニークな世界を紹介します。

(5)『岸竹堂/動物画 ─幕末・明治の写実とは─』・・・幕末の彦根に生まれた近代京都画壇の先駆者・岸竹堂(きし・ちくどう。1826-97)は、迫力のある動物画を得意としていました。サーカスの虎に取材した鬼気迫る虎の連作をはじめ、動物画作品に的を絞って10点を展示します。

(6)『オノサト・トシノブ 幾何学的万華鏡(ジオメトリック・カレイドスコープ)』・・・錯視現象を活用したカラフルな幾何学的作風で知られるオノサト・トシノブ(1912-86)は、日本の抽象絵画の先駆者であり、オプ・アートの代表作家です。1960年代から晩年に至る油彩・版画作品42点を展示します。

(7)『彫刻家ブランクーシの写真』・・・「抽象彫刻の父」と呼ばれるコンスタンティンブランクーシ(1876-1957)は、写真に興味を持ち自らのアトリエや作品を克明に撮影し続けていました。貴重な彼の写真45点を、彫刻の代表作「空間の鳥」と共に展示します。

(8)『加納光於/色彩と変容』・・・幼少期の幻覚や博物学の世界をベースに、繊細な詩情と鮮烈な色彩の抽象世界を作り上げた、現代日本を代表する画家・版画家の加納光於(かのう・みつお。1933- )。油彩の大作「囲いに沿って」をはじめ初期から近作まで26点の代表作を展示します。


企画展示『魅力再発見!”秘蔵”コレクションとの遭遇』
■会期=平成27(2015)年 6月13日(土)─7月20日(月・祝)
■休館日=毎週月曜日(ただし7月20日(月)は国民の祝日のため開館)
■観覧料=一般 800円(600円)/高大生500円(400円)/小中生300円(250円)
      *( )内は前売および20名以上の団体料金