成安造形大学における作品移動展示、いよいよ26日限り!


ただいま滋賀県内唯一の美術系大学である成安造形大学大津市仰木の里東4-3-1)において開催中の、当館の所蔵品移動展示『ワイワイわれらのモダニズム』。いよいよ会期が11月26日(日)限りとなりました。
成安造形大学滋賀県立近代美術館との協働企画である本展は、同大学の「キャンパスが美術館」において、当館が所蔵する現代美術(モダンアート)部門の作品を展示するもので、「色」と「かたち」を軸にして滋賀県立近代美術館の作品群をお楽しみいただくとともに、「素材」や「地域」をキーワードにした成安造形大学のさまざまなアプローチやプロジェクトを通じて、モダンアートと私たちの身の回りの世界との共通点をさぐっていこうとするものです。詳しくは「こちら」をご覧ください。

■2017 秋の芸術月間 セイアンアーツアテンション VOL.10 滋賀県立近代美術館 県内移動展示事業
 めぐれ!つながれ!色とかたち。ワイワイわれらのモダニズム※セイアンアーツアテンションは、成安造形大学が運営する「キャンパスが美術館」のメイン企画として、全てのギャラリーや学内各所を舞台に開催する総合芸術祭です。2011年春の芸術月間VOL.0の開催から数えて、今回で11回目となります。◆会 期:2017年10月21日(土) ― 11月26日(日)
◆開館時間:12:00―18:00
◆入場料:無料
◆休館日:11月25日(土)
◆会 場:成安造形大学【キャンパスが美術館】
◆主 催:滋賀県立近代美術館成安造形大学【キャンパスが美術館】
◆後 援:京都新聞、NHK大津放送局、BBCびわこ放送滋賀県教育委員会おごと温泉観光協会公益社団法人びわ湖大津観光協会公益社団法人びわこビジターズビューロー



□セクション1「色彩の饗宴」□セクション1では、20世紀から現代までのモダン・アートの足跡を「色」と「かたち」(色彩と形態)という観点から探っていきます。 なぜ「色」と「かたち」なのでしょうか。モダン・アートの“色彩”は、蛍光染料やアクリル絵具などの発明、光学や知覚心理学を踏まえた近代色彩論の確立など、近代科学の発展抜きには登場し得ませんでした。これは、人類の美術史の中でモダン・アートのみが新規に切り拓いた新しい領域です。モダニズムの色彩感覚は、今やアートの分野を超えて、現代に生きるわたし達の生活の中に深く溶け込んでいます。 モダン・アートの“形態”には、見たままをそっくりに描くという具象的、写実的な描写を離れて、純粋な「かたち」そのものがもつ視覚的・心理的効果を追求するような、抽象化されたりデフォルメされたりした表現が登場します。
写真:アンディ・ウォーホル《フラワーズ》1970年
▼主な出品作家:アンディ・ウォーホル、ロイ・リキテンスタイン、クレス・オルデンバーグ、アレクサンダー・コールダー、元永定正、靉嘔、バーネット・ニューマン、ロバート・ラウシェンバーグ、伊庭靖子、黒田アキ、池田満寿夫マルセル・デュシャンワシリー・カンディンスキー池田満寿夫など
▼会場:ギャラリーアートサイト



□セクション2 「黒の世界」□セクション2では、モダンアートが生み出したもうひとつの色彩感覚、華やかな色彩の奔流とは正反対の黒の世界です。「黒」は一見地味で暗い色と思われがちですが、実は無限の可能性を秘めたパワフルな色といえます。「黒色の作品」群の展示を通して、黒という色彩を通して発せられるパワーやモダニズムの色彩について別の角度から見てみましょう。
写真:岡田修二《水辺14》2001年 滋賀県立近代美術館所蔵
▼主な出品作家:岡田修二、福岡道雄、アンリ・マチスフランク・ステラ、リチャード・セラなど(順不同)
▼会場:ギャラリーキューブ



□セクション3 「素材と場所」□セクション3 では、素材感を生かしつつ周囲の空間を取り込んでいくモダンアートの立体作品群を展示し、素材と色彩と環境の関係について考えます。またブランクーシ作《空間の鳥》の彫刻台座をびわ湖材(滋賀県産の木材)で創作し展示するほか、参加型のプログラムも行います。
制作協力:大滝山林組合(多賀町)、田辺木材工業㈱(長浜市)、㈲大森大工(長浜市)、㈱ダイエツ(甲賀市)、滋賀木材青年経営者協議会、谷一木材㈱滋賀事業部長浜工場、島村葭商店(高島市
写真:コンスタンティンブランクーシ《空間の鳥》1926(1982)年 滋賀県立近代美術館所蔵
▼主な出品作家:コンスタンティンブランクーシ、ドナルド・ジャド、カール・アンドレなど(順不同)
▼会場:ライトギャラリー



□セクション4 「地域とモダニズム」□セクション4では、成安造形大学の教員が中心となって立ち上げた「地域とモダニズム・プロジェクトチーム」によるリサーチとその結果を展示します。このプロジェクトは滋賀県立近代美術館のコレクションの柱である、「モダンアート」に着目し、地域との関係に迫ります。このセクションでは、美術館の収蔵作品は展示されていません。そのかわりプロジェクトチームが、滋賀県立近代美術館のコレクションをリサーチすることで始まった、地域の色、かたち、くらしを考える作品を展示します。本プロジェクトの試みは、セクション5 へと続きます。
写真左:アンディ・ウォーホル《フラワーズ》1970年
写真右:谷本 研|アンディ・ウォーホル《フラワーズ》のマンセル表色系の色空間における色彩分布
▼出品作家:地域とモダニズム・プロジェクトメンバー:馬場晋作/渋谷 亮/高橋耕平/谷本 研
▼会場:E102



□セクション5 「ワイワイわれらの美術館」□セクション5では、少し古ぼけた椅子やソファ、展覧会のポスターや図録、そして模型が置かれています。年表や館内を写した写真などが展示されています。 美術館のかつて、いま、これからを皆さんと一緒に考え、身近な存在としての滋賀近美の、未来のかたちを探ってみませんか。
▼出品作家:地域とモダニズム・プロジェクトメンバー:馬場晋作/渋谷 亮/郄橋耕平
▼会場:G103