彫刻の道を歩いてみよう その3

美術館の右(西側)をバス停に向かってのびる石畳の遊歩道「彫刻の道」。そこに立ち並ぶ野外彫刻を紹介するシリーズの第3回です。

墓碑のような作品からさらにバス停の方に向かって進むと、今度は4つの白い巨大な石を鉄の棒でつないだ、奇妙な作品が現れます。

一見、何を意味しているのかわかりませんが、じっと見つめているとこの4つの石が、丸く手をつないで芝生の上を踊っている、仲良し4人家族のようにも見えてきます。

さらに彫刻の中に入ってぐるっと周囲を見渡すと、四方を石の柱と鉄の棒にぐるりと囲まれているためか、ストーンヘンジのような古代の環状列石の中にいるかのような、あるいは魔法で作った円環の中にいるかのような、不思議な気分になってきます。まるで囲まれた空間の中が、周囲の空間とは違う別の空間であるかのような、不思議な力を持っているようにも感じられるのです。

ただ4つの石をつないだだけなのに、周囲の空間そのものの感じ方を変えてしまうユニークな作品です。あなたもぜひ、美術館からお帰りの際にはチェックしてみて下さい。

(植松奎二「置・傾/トライアングル」 1987年 花崗岩、コーテン鋼)