「ロトチェンコ+ステパーノワ−ロシア構成主義のまなざし」展の見どころ紹介 3

いよいよ本日7月3日(土)から始まった、「ロトチェンコ+ステパーノワ−ロシア構成主義のまなざし」展。その見どころを紹介するシリーズの、第3回です。今回はロトチェンコの妻であり芸術創造上でのよきパートナーでもあった、ワルワーラ・ステパーノワについてご紹介いたします。

1917年のロシア革命の前後、ロシアでは多くの女性アーティストが活躍していました。中でもナタリア・ゴンチャロワと並んで有名なのが、構成主義の中心的存在であり、ロトチェンコの妻でもあったワルワーラ・ステパーノワです。
ステパーノワは1894年、リトアニアのコノフ(現カウナス)に生まれました。カザン美術学校でロトチェンコと出会い、後に彼の生涯の伴侶となります。1924 年からモスクワの国立第一織物捺染工場に勤務し、そこで定規やコンパスを用いた幾何学模様のテキスタイルデザインを制作、脚光を浴びます。
その一方で彼女は視覚詩や、舞台デザイン、ファッションデザイン等も幅広く手掛け、「日常生活のなかに芸術を持ち込む」構成主義の裾野を押し広げる役割を果たしました。1930年代以降は、特にグラフィックデザインの分野で活躍しました。

ステパーノワはプロゾジェーダと呼ばれる「生産服」の様々なバリエーションを150以上もデザインし、また、本の装丁や、視覚詩、雑誌・広告のレイアウト等も手がけました。本展では、初期の立体未来派風の絵画から、「生産服」のデザイン画、ポスターに至るまでステパーノワの代表的作品を多数展示いたしております。


「ロトチェンコ+ステパーノワ−ロシア構成主義のまなざし」
会期:7月3日(土)−8月27日(日)
観覧料:一般 950円(750円))、高大生 650円(500円)、小中生 450円(350円)
    ( )内は前売および20名以上の団体料金。
企画展の観覧券で常設展「夏休み子ども美術館」も観覧できます。

(写真:ワルワーラ・ステパーノワ「構成者 ロトチェンコ 線」 アレクサンドル・ロトチェンコの風刺画
 1922年 作家によって台紙に貼り付けられたゼラチン・シルバー・プリント プーシキン美術館蔵)