「珠玉のヨーロッパ絵画展」、いよいよ4月16日(土)オープン!

好評開催中の企画展「襖と屏風−暮らしを彩る大画面の美−」展は今日が最終日です。お急ぎ下さい。

美術館が位置する文化ゾーンも春爛漫。サクラの花も満開に近い状態です。文化ゾーンでいちばんのサクラの見どころは、東ゲートの駐車場近くから浄水施設に向かって伸びる登り坂の並木道です。この一週間が一番の見どころだと思われます。

さていよいよ4月16日(土)から、次回の企画展「珠玉のヨーロッパ絵画展−バロックから近代へー」が始まりますので、その内容を再度ご紹介いたします。この展覧会は長野市在住のコレクター長坂剛氏が長年にわたり収集した「長坂コレクション」から、17世紀西洋のバロック美術の宗教画・世俗画と、19世紀の肖像画・風景画・風俗画などを中心にした、58点の油彩画を展示するものです。展示作品を国別に見ると、17世紀バロック美術はイタリア、スペインを中心にオランダ、フランドル(現在のベルギー)、フランスなどの画家の作品からなり、19世紀の作品では上記の国々の他に、イギリス、ドイツ、オーストリア、ロシアなど、幅広い国々から作品が集められています。お国柄の違いもあり、バラエティに富んだ作品が楽しめる展覧会です。
集められた画家の顔ぶれは、決して当時の大御所クラスとはいえませんが、技術的には修練を積んで高い技量を身につけた画家ばかりであり、何よりも当時の空気を呼吸し、その時代時代における芸術のあり方を十二分に体現している存在ばかりです。むしろその、平易で親しみやすい表現や、当時の人々の好みを反映したモチーフ選択などは、バロック時代や19世紀の美術界の空気を忠実に伝えるものであり、いわゆる巨匠の作品展以上に西洋絵画を身近に接するのに最適な展覧会であると言えるでしょう。

17世紀バロック美術の作品は、聖書の1シーンなどキリスト教の主題を描いた《宗教絵画》と、当時の風俗を描いた《世俗画》からなっています。ポスターになっているイタリアの画家オノリオ・マリナーリの「聖チェチリア」や、オーストリアの画家ダニエル・ザイターが新訳聖書の一シーンを描いた「キリストと姦婦」(写真上)などは前者です。

19世紀の作品は《肖像画》《風景画》《風俗画》からなり、フランスの画家ギュスターヴ・ルイ・リカールの「地中海の夏祭りを祝う娘達」(写真上)は風景画の、イギリスの画家フィリップ・リンドの「窓辺の子供達」(写真下)は風俗画のジャンルに属する作品です。このように様々な国の様々なジャンルの作品が一堂に会しており、当時のヨーロッパの雰囲気を身近に感じることができます。

このブログでも次回からシリーズで、展覧会の見どころを紹介してゆきます。ぜひご期待下さい。


『珠玉のヨーロッパ絵画展−バロックから近代へー』
◆会 期:2011年 4月16日(土)−6月12日(日)
◆休館日:毎週月曜日
◆観覧料:一 般 950円(750円)、高大生 650円(500円)、小中生 450円(350円) ( )内は前売および20名以上の団体料金
◆展覧会構成:油彩画 58点
第1部 バロック絵画(17世紀を中心に):宗教画 19点、世俗画 7点
第2部 近代絵画(19世紀を中心に):肖像画 10点、風景画 8点、風俗画 14点。

★毎日、午後1時から美術館サポーターによるギャラリートークを行います。