たいけんびじゅつかん「ゾートロープに挑戦!」が開催されました。
たいけんびじゅつかん「ゾートロープに挑戦!」が6月24日(日)に開催され、大人と子どもを含め合計45人の方が参加されました。
たいけんびじゅつかんとは、月に一回、小中学生と保護者を対象にした展覧会の作品解説や、鑑賞をより深めるためのワークショプを行うイベントです。
今回は、現在開催中の企画展「チェブラーシカとロシア・アニメーションの作家たち」に合わせて、アニメーションの祖先と言われるゾートロープ作りを体験しました。
みなさんは「ゾートロープ」をご存知ですか?
これは今から178年前の1834年、イギリスで発明された動く映像を楽しむ視覚玩具です。
すき間の入った黒い輪の内側に、連続した絵を入れて回すと、あら不思議!絵が動いて見えます。
とても簡単な仕掛けでアニメーションを作ることができます。
変わった名前ですが、これはギリシャ語で、「生命 (ゾー)」と「回転(トロープ)」を意味します。
「生命の輪」と呼ばれることもあり、止まっている絵がまるで生きているかの様に動き出します。日本では回転覗き絵とも言われます。
今回鑑賞する「チェブラーシカとロシア・アニメーションの作家たち」は人形アニメの「チェブラーシカ」がメインの展示となっています。
アニメーションとは、本来は止まっているはずの物を動かす技術です。
「チェブラーシカとロシア・アニメーションの作家たち」を鑑賞して、チェブラーシカという謎の生き物の秘密と、絵が動いている秘密を探りました。
↑ロシアでは知らない人がいない程の有名人(?)チェブラーシカの人形もたくさん種類が作られています。
↑ロシアの作家のミハイル・アルダーシンの『クリスマス物語』を鑑賞中。こちらはセルアニメーション。
チェブラーシカをはじめ、ロシア・アニメーションの作家の作品を鑑賞した後は、ゾートロープに挑戦です!
初めに、アニメーションができるきっかけとなった「ソーマトロープ」や「フェナキストスコープ」を体験しました。
これらは「ゾートロープ」よりも少しだけ前に発明された視覚玩具です。
1825年にできたのがこの「ソーマトロープ」。
表面
裏面
くるくる回すと、表と裏に描かれた絵が合体して見えます。
その7年後の1832年にできたのが「フェナキストスコープ」です。
円盤に描かれた絵を鏡に写して回し、すき間から覗くと絵が動いて見えます。
「フェナキストスコープ」を輪っかにして、鏡をなくしたものが実は「ゾートロープ」なんです。
色々な視覚玩具でアニメーションを楽しんだ後は、いよいよ自分たちの絵を実際に動かしてみます。
はじめはゾートロープの装置作りから。
↑①まずは、黒い輪っかを作ります。
↑③輪っかを乗せる台を作って、画びょうでつなげば完成〜♪意外と簡単!?
装置ができたら次はアニメーションを描きます!
↑まずは見本を自分で作ったゾートロープで体験。これはどんな動きになるんだろう?
↑山と雲を描いていますね。この後どんなアニメーションになるのでしょうか?
↑保護者の方も、お子さんがどんなアニメーションを作るのか楽しみにしています。
↑最後はみんなで他の人の作品を自由に鑑賞!
あちこちで「わ〜動いた!」「おもしろい〜!」という声が聞こえてきました。
では、作品の一部を動画でご紹介します!
(※少し画像が荒いです。)
みんな、実際に動かしてみるまでは、自分で描いた絵が上手く動くか心配そうでしたが、どれも立派なアニメーション作品になっていました。
自分が描いた絵が、まるで生きているかの様に動き出す。それはとても感動的なことです。
また、自分の作品が他の人にも見て楽しんでもらえると、本当に嬉しくなりますよね。鑑賞した人全員で一緒になって楽しめるアニメーション、最後はみんな素敵な笑顔を見せてくれました。
止まっている物に命を吹き込むアニメーションを作ってみて、アニメーションをもっと身近に感じてもらえたでしょうか?
次回のたいけんびじゅつかんは7月28日(土)と29日(日)開催予定の「回り灯ろうを作ろう!」です。
みなさんは「回り灯ろう」とは何か知っていますか?
今回作った「ゾートロープ」にも少し似た、かげ絵がくるくる回りながら光るという、不思議な灯ろうです。
とてもキレイで夏にもぴったり!な、この「回り灯ろう」を作ってみましょう!
企画展「チェブラーシカとロシア・アニメーションの作家たち」を当館学芸員の解説とともに鑑賞します。
応募締切は7月16日(月)必着です。
※ 材料費500円が必要です。
このイベントについて詳しくはこちらまで。 皆様のご応募お待ちしております。