冬から春の常設展示 ご紹介

当館はきたる2月8日(土)から新たにオープンいたしますが、企画展示と同時に常設展示も新しい内容に変わります。


展示室1『新収蔵品を中心に』 2月8日(土)−3月30日(日)
常設展示室1(日本画・郷土美術部門)の展示は『新収蔵品を中心に』と題し、平成24年度の新しい収蔵品を中心に、関連作品を交えた内容で開催いたします。
主な展示作品は、幕末から明治初頭の京都で活躍した野村文挙(のむら・ぶんきょ)が月夜の梅を大胆な構図で描いた叙情的な作品「夜の梅図」、滋賀県東近江市出身の日本的洋画の開拓者・野口謙蔵(のぐち・けんぞう)の風景画「松林」と「御坂富士」、滋賀県近江八幡市出身で戦後の二科会で活躍した洋画家・伊庭伝治郎(いば・でんじろう)の気品溢れる室内画「裸婦」、岐阜県出身で彦根市に移り住み、光の効果を捉えた清新な油絵で知られる島戸繁(しまと・しげる)の「湖畔夕照」と「庭園図」、それに幕末・明治初頭の京都で活躍した彦根出身の近代日本画の先駆者・岸竹堂(きし・ちくどう)が、現在は火災で焼失した祇園祭の幻の大船鉾を描いた「船鉾図」などです。併せて従来の館蔵品の中から、新収蔵品に関連した作品を多数展示いたします。

▲野村文挙「夜の梅図」

▲野口謙蔵「御坂富士」

▲伊庭伝治郎「裸婦」

▲岸竹堂「船鉾図」


なお併設の小倉遊亀コーナーも併せて展示替えとなります。展示作品は、「磨針峠」「少将滋幹の母 挿絵」「童女入浴図」「アネモネ」「観世音菩薩」「娘」「家族達」「画人像」「月」「花と古陶」「静物」「厨のもの(一)(二)(三)」の、計14点です。このうち「花と古陶」「静物」の2点は平成24年度の新収蔵品で、当館初公開です。


展示室2『版画の愉悦』 2月8日(土)−3月30日(日)
常設展示室2(現代美術部門)の展示は、木版画・銅版画・石版画・シルクスクリーンなど様々な版技法を用いた現代日本の挑戦的な作品群を通して、わが国の現代版画の豊饒な世界に招待いたします。
主な見どころとしては、木版画では現代の浮世絵師と呼ばれる京都在住の黒崎彰(くろさき・あきら)による「近江八景」連作(当館初公開)があります。銅版画では酸の腐食による偶然の模様を利用した幻想的な抽象表現で知られる加納光於(かのう・みつお)の、初期から近作に至る多数の作品群がまとめて見ることができるのが嬉しいところです。石版画(リトグラフ)では映画や小説などにも才能を発揮した池田満寿夫の力作「七つの大罪」や、1970年代のもの派を代表する巨匠・李禹煥(リー・ウーファン)の大作「黙」シリーズなどが見どころです。シルクスクリーンでは日本のオプ・アートを代表する抽象画家・オノサト・トシノブの作品を年代順に見ることができる他、滋賀県大津市在住で写真を活用したユニークな版画制作で知られる、木村秀樹(きむら・ひでき)、田中孝(たなか・たかし)、小枝繁昭(こえだ・しげあき)らの実験的な作品も展示いたします。また、過去当館が「シガ・アニュアル'94 版の宇宙」展で取り上げた、日本の中堅版画家たちの作品もまとめて公開いたします。
わが国の現在の版画芸術の全貌を知ることができる、楽しい展示です。展示作品点数は全部で68点です。

▲黒崎彰「近江八景」より「堅田落雁木版画

加納光於「Illumination No.17」銅版画

池田満寿夫七つの大罪」より「憤怒の罪」銅版+リトグラフ

李禹煥「黙」リトグラフ


常設展示『新収蔵品を中心に』『版画の愉悦』 2月8日(土)−3月30日(日)
観覧料(共通):一般 450円(360円))、高大生 250円(200円)、小中生 無料 ( )内は20名以上の団体料金。
※企画展の観覧券で常設展も観覧できます。
※毎日、午後2時から美術館サポーターによるギャラリートークを行います。