常設展示「近江の古美術」が始まりました

本日3月7日(火)より、リニューアルに際しての長期休館前の最後の常設展示となる「近江の古美術」が始まりました(3月31日(金)まで)。
当館では郷土滋賀県ゆかりの美術については以前から「近代」という枠にとらわれず、より古い時代の作品から貴重なものを選りすぐって収集して参りました。また、リニューアルオープン後にその所蔵品・寄託品を統合して保全することになる、休館中の滋賀県琵琶湖文化館にも、多くの滋賀県ゆかりの古美術作品が収蔵されています。
今回の展示では、こうした「滋賀県ゆかりの古美術作品」に的を絞って展示いたしております。その中心となっているのは、近江日野(滋賀)出身の江戸中期の画人・高田敬輔(たかだ・けいほ)で、彼の筆になる「楼閣山水(ろうかくさんすい)図・竹林七賢琴棋書画(ちくりんしちけんきんきしょが)図」がこのたびマザーレイク滋賀応援基金活用事業として修理がなされ、この度完成いたしましたので、展示室にて初公開いたしております。


敬輔の作品としてはこの他、以前からの収蔵品である「山水図」も展示いたします。また敬輔の弟子である島崎雲圃(しまざき・うんぽ)の鮎図」や、敬輔の弟子とされる曾我蕭白(そが・しょうはく)の「楼閣山水図」(重要文化財近江神宮蔵、滋賀県琵琶湖文化館寄託。展示期間:3月20日まで)などもあわせてご覧いただけます。

また、近江蕪村と呼ばれた紀楳亭(き・ばいてい)の作品や、同じく与謝蕪村に私淑した横井金谷(よこい・きんこく)の県指定文化財「山水図」、さらには近江八景図の原型を示す室町時代の貴重な作品、狩野派「近江名所図」(重要文化財。展示期間:3月22日から)など、当館が誇る江戸期以前の作品をまとめてご覧いただけます。

当館のリニューアル後は、琵琶湖文化館に寄託され、同館が保全に努めてきた近世絵画を中心とする同館の所蔵品が当館に引き継がれる予定です。当館が琵琶湖文化館の機能を継承し、未来に飛翔する姿を予見していただく機会となれば幸いです。


■常設展示「近江の古美術」 3月7日(土)─3月31日(金)
     「物質と素材」 2月4日(土)─3月31日(金)
休館日:毎週月曜日(月曜が祝日・振替休日の場合は開館し、翌日休館)
観覧料(共通):一般 500円(400円))、高大生 300円(240円)、小中生 無料 ( )内は20名以上の団体料金。
※企画展の観覧券で常設展も観覧できます。
※毎日、午後2時から美術館サポーターによるギャラリートークを行います。