「色と墨のいざない−出光美術館コレクション展−」来週末から始まります


来週9月11日(土)から、企画展示室において秋の企画展第1弾「色と墨のいざない」が始まります。この展覧会は、出光美術館(東京)の所蔵品から選りすぐった、鎌倉から江戸時代にわたる日本美術の秀作約70件を展示するものです。

出光コレクションは、出光興産の創業者であり初代館長の出光佐三氏(1885〜1981)が、その生涯をかけて蒐集した美術品を基礎に始まり、現在国宝2件、重要文化財51件をふくむ1万件におよんでいます。日本の書画、中国・日本の陶磁器から、近代や海外の作家の作品まで、幅広い作品を含んでいることを特徴としています。

今回の展覧会ではその中から、色彩と墨による日本絵画の醍醐味を堪能いただくことを目的として、鎌倉時代から江戸時代に及ぶやまと絵作品に、室町時代からの水墨画を交え、また狩野派の屏風絵や池大雅・浦上玉堂・富岡鐵齋らの文人画などと、絵画と関わり深い陶芸作品を併せて展示・公開いたします。
人々の営みを描いた風俗画や、自然の移ろいを描いた四季山水図などから、日本美術の魅力を見つめ直す貴重な機会となることでしょう。

例えば上の作品は、剣豪として知られる宮本武蔵の作品「竹雀図」(部分)。武蔵が実は水墨画の名手でもあったことは、美術ファンなら知る人ぞ知る事実。室町時代から安土桃山時代にかけての禅宗の広がりの中で、武士の求道精神と水墨画の隆盛がひとつに交わった場所に、宮本武蔵の画業は鋭い孤高の光を放っているのです。
この他にもまだまだ興味深い作品がたくさんあります。それらはこれから順次ご紹介してゆく予定です。

芸術の秋の第一陣の展覧会にふさわしい、日本美術の名品の数々をご覧いただける本展覧会。この機会にぜひ皆様お誘い合わせの上、ご観覧ください。


「色と墨のいざない−出光美術館コレクション展−」

会期:9月11日(土)−10月11日(月・祝)
観覧料:一般 950円(750円))、高大生 650円(500円)、小中生 450円(350円)
    ( )内は前売および20名以上の団体料金。
企画展の観覧券で常設展「横山大観と仲間たち」「赤と黒」も観覧できます。