美術館の裏方をのぞく:設備編(3)収蔵庫

来館者がふだん見る機会のない美術館の裏方の設備。美術館に勤めたばかりの若手スタッフたちが、それをチラリと覗いてみる企画の第3回は、作品を保管する「収蔵庫」です。

今回は当館所蔵の美術品が数多く保管されている「収蔵庫」をご紹介します!
当館の収蔵品は、現代美術、工芸、日本画と3つの部屋に分けて地下に収蔵されています。ふつう美術館の収蔵庫は建物の最上階に作られることが多いそうなのですが、当館の建物は高台にあり、地盤が頑丈であったため、あえて温湿度の影響を受けにくい地下に収蔵庫を作ったのだそうです。

とても頑丈な扉で、厳重に保管されている美術品。
収蔵庫は一年を通じて温度・湿度が一定に保たれるように設計されており、デリケートな美術品を大切に保管しています。

こちらは収蔵庫1。現代美術の作品が収納されています。
立派な彫刻作品が所狭しと置かれているのでびっくりします。持ち運びが難しい作品や壊れやすい作品は、箱に入れられたまま収納されています。


大きな絵画作品はラックに立て掛けるようにして収納されています。地震が来ても大丈夫なように、作品はラックにしっかりゆわえつけられているそうです。

こちらは収蔵庫2。おもに工芸作品を収納している部屋だそうです。

割れやすい焼き物などはひとつひとつ桐の木箱に入れられ、丁寧に保管されています。

こちらは収蔵庫3。日本画が収納されている部屋です。
現代美術の作品と同じように、額入りの大きな作品はラックにゆわえつけられて収められています。

掛け軸になっている作品はくるくると巻かれて、ひとつひとつ専用の木箱に収納されています。

屏風の作品は折り畳んで、専用のラックに収められています。
作品のかたちによって、収納の仕方もさまざまです。

収蔵庫の天井にはさまざまなセンサーが据え付けられていて、温湿度の管理を行っています。万一火事が発生した時は、作品を痛めないように水ではなく、ガスで消火する設備もあるそうです。


たくさんのいろんな作品が、次回また皆さんにお会いできるのを楽しみにしてこの収蔵庫で待っています。
当館の職員一同も、たくさんの方たちに良い作品に出会っていただけますよう全力で頑張りますので、これからもよろしくお願いいたします!